「早く仮設住宅に入りたい」
“ふるさと”を離れる
自治体で状況に違いも
先月、「能登半島を中心にこれからまだまだ復興していかないといけない。自分たちが被災した方々に笑顔を届けたい」と話していた北川選手。31日に行われた予選リーグ第3戦では、クリアボールのミスから1点を失いナイジェリアが攻勢を強めてくる中、嫌な流れを断ち切りました。フリーキックのチャンスで、芸術的なシュートで右隅のネットを揺らし、2大会連続の準々決勝進出を決めました。SNSでも「勇気づけられた」という投稿がありました。
「金沢の子だし頑張ってほしいと思っていた。石川県民も勇気をもらえました!」
「石川県の皆様に勇気を与える芸術的ゴール」
「石川の誇り!」(“X”の投稿より)
一方で、被災地では厳しい状況が続いています。
石川県では地震から7か月たったいまも、600人余りが1次避難所に身を寄せています。このうち輪島市の大屋小学校に設けられた1次避難所では、自宅が全壊するなどした18人が生活しています。
日中は仕事で外出する人が多いということですが、高齢の人たちは外出せず冷房設備の近くに集まって今後の生活などについて話し合っていました。こうした1次避難所は輪島市に17か所ありますが、仮設住宅の建設が進み入居できる見通しが立ったことなどから、輪島市は8月いっぱいですべて閉鎖する方針で、退去に向けた準備を促しています。
「家が全壊したのでできるだけ早く仮設住宅に入りたいが、避難が長引きすぎてこの場所に愛着を感じるほどになってしまった」(女性 70代)「自宅が半壊で直そうと思いましたがなかなか業者に工事も頼めず、仮設住宅への入居を待っています」(男性 70代)
小路貴穂さん「想定よりも長く避難所を運営してきましたが、やっと見通しがついてきた。避難所にいる人たちも仮設住宅に入居することで前向きになれると思うので、最後の1日まで支えたい」
また、人口の流出も課題です。
石川県によりますと、ことし1月から6月までの半年間に奥能登地域で転出した人は、あわせて2700人でした。これは1126人だった去年の同じ期間の2.4倍にあたり、ふるさとを離れてほかの地域へ移る動きが続いています。自治体ごとの転出者の数です。
▽輪島市が去年の同じ期間の2.4倍の、1325人▽珠洲市が3.4倍の、616人▽能登町が1.9倍の、457人▽穴水町が2.2倍の、302人でした。
一方、この期間の転入は、4つの市と町であわせて468人と、去年の6割ほどにとどまっています。こうしたことなどから、7月1日時点の奥能登地域の人口は、推計で5万1983人となり、ことし1月1日時点の5万5213人と比べると3230人、率にして5.9%減少しました。
ことし1月から6月にかけての転出者数の推移を自治体ごとに去年と比較しました。オレンジの線がことし、青い線が去年です。
輪島市です。3月の351人をピークに、6月は79人まで減少。ただ、去年より高い状態が続いています。
珠洲市です。こちらも3月がピークで151人。その後、減っていますが、直近は横ばいで6月の転出者は去年と比べておよそ3倍です。
能登町です。3月のあと減少傾向で、6月はほぼ去年並みとなっています。
穴水町です。同じく3月のあと減少傾向で、6月の転出者は去年を下回りました。地震から7か月となり、人口の流出の動きも地域によって違いがみられます。
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