愛媛 宇和島 飲料水を配る対応 水道の水に濁り
愛媛 愛南町「石垣の里」で修復作業
愛媛 宇和島 雨や風への備え進む
高知 宿毛 支援物資が石川 小松から届く
今月17日の地震で震度5強の揺れを観測した愛媛県宇和島市の津島地区では、地震の直後から水道の水が濁った状態が続いていて、市は地区内の15か所で飲料水を配る対応を取っています。このうち北灘公民館には20日午前8時すぎから地域の人たちが次々と訪れて、6リットルの飲料水が入った袋を自転車や車に積み込んで持ち帰っていました。この地区に住む80代の男性は「料理や皿洗いもできないので購入したペットボトルの水で済ませました。いつ元に戻るか分からずとても困っています」と話していました。宇和島市水道局によりますと、水道管の内部にたまった鉄さびが地震の揺れで流れ出したのが濁りの原因で、いまのところ解消のめどは立っていないということです。水道局は蛇口から水を流し続けるよう呼びかけていて、その際にかかった水道料金は減免されるということです。
愛南町の海沿いにある外泊地区では、台風などから家を守るため住宅の周りに石垣が設けられていて、美しい景観から「石垣の里」として親しまれています。しかし地元の保存会によりますと、愛南町で震度6弱の揺れを観測した17日の地震で10か所で石垣が崩れる被害が確認されたということです。このため保存会は修復作業を始め、初日の20日は保存会のメンバーやボランティアの大学生などあわせておよそ20人が参加しました。参加者たちははじめに崩れて路地をふさぐなどしている石を拾い集め、大きいものと小さいものに分ける作業をしました。そして「あんこ石」と呼ばれる比較的小さな石を石垣の中に入れ外側に大きな石を丁寧に積み上げると、ハンマーでたたいて形を整えていました。保存会によりますと今後も天候などをみながら修復作業を続け、来月中には作業を完了したいということです。保存会のメンバーで外泊地区の区長を務める吉田幸稔さんは「大きな余震もなく修復作業を始められたのでほっとしています。観光客が安全に見て回れるよう、しっかり修復していきたい」と話していました。
震度5強の揺れを観測した愛媛県宇和島市では建物にも被害が出ました。20日午後から雨が予想されているため、屋根にシートをかぶせるなどの対応に追われています。宇和島藩主の菩提寺の1つで400年以上の歴史がある「龍華山等覚寺」は、地震で本堂の屋根の瓦が落下するなどの被害がありました。20日午後から雨が予想される中、寺には20日朝から業者が訪れ、雨が屋内に入らないよう屋根にシートをかぶせる対応に追われていました。朝雲道悟住職は「これまで経験したことがない地震で驚きました。雨が予想されているので、無事に作業が終わることを願っています」と話していました。一方、宇和島市では雨や風への備えとして、住宅被害を受けた人にブルーシートを無料で配布していて、20日朝も市役所には次々と住民が受け取りに訪れていました。訪れた70代の男性は「屋根の瓦が落下しましたが、自分で対策をするしかありません。雨が降る前に急いでやろうと思います」と話していました。宇和島市危機管理課の赤松芳和課長は「住宅の屋根や壁が崩れるなどの被害が相次ぎました。雨水が浸水しないよう対策を進めてほしいです」と話していました。
震度6弱の揺れを観測した高知県宿毛市に、石川県小松市から支援物資としてブルーシートと土のう袋が届きました。宿毛市では、今月17日の地震で震度6弱の揺れを観測し、3人がけがをしたほか、屋根の瓦が落ちたり窓ガラスが割れたりするなどの住宅の被害が出ました。こうした中、被災地を支援しようと、20日午前、宿毛市役所に石川県小松市から支援物資が届きました。届いたのは、ブルーシート500枚と土のう袋1万4000袋で、支援物資を載せたトラックが到着すると市の職員が荷下ろしをして庁舎の中に運び込んでいました。宿毛市では20日夜から21日にかけてまとまった雨が降る見込みで、届いた支援物資は住宅が修繕できるまで雨漏りなどを防ぐ応急処置として活用され、市によりますとこれまでにおよそ250枚のブルーシートが配られたということです。宿毛市と小松市は小松市が発祥の建設機械大手「小松製作所」の創業者が宿毛市出身というつながりからふだんから交流を続けていて、今回の支援につながったということです。宿毛市危機管理課の有田巧史課長は「ふだんからつながりのあった小松市から迅速な支援をいただいて本当に心強い。家屋の被害が多かったので支援物資を活用して復興につなげていきたい」と話していました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。