気象庁が20日発表した9月から11月の長期予報では、太平洋高気圧が日本の南東で張り出しを続けることで、上空の偏西風は平年より北を流れるとみられ、日本付近は引き続き暖かい空気に覆われやすくなる見込みです。

このため、3か月を通して平均気温は全国的に「高い」と予想されています。

月別に見ると9月と10月は全国的に「高い」予想で、11月になると北日本と東日本で「平年並みか高い」、西日本と沖縄・奄美で「ほぼ平年並み」と気温の高止まりがやや和らぐと予想されています。

これはペルー沖の海面水温が平年より下がる「ラニーニャ現象」が冬にかけて発生の可能性が高いとされていて、冬型の気圧配置が強まる可能性があるためです。

太平洋側を中心に雨の量も多くなる可能性があります。

高気圧が南東側に張り出すため、向こう3か月間の降水量は太平洋高気圧の縁を回る暖かく湿った空気の影響を受けやすいと見込まれています。

東日本から西日本の太平洋側と沖縄・奄美で「平年並みか多い」、東日本から西日本の日本海側と北日本で「ほぼ平年並み」と予想されています。

また台風シーズンが長く続く可能性もあります。

冬にかけて「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高いため、フィリピンの東の海上で台風のもととなる積乱雲が例年より多く発生すると見込まれているためです。

日本近海の海面水温も気温と同様、高いと予想されています。

気象庁異常気象情報センターの田中昌太郎所長は「残暑が厳しく、秋の訪れが遅くなる見込みのため、油断をせずに熱中症対策を続けてほしい。また、湿った空気が入りやすい上台風の時期が続くため、大雨への対策が大事になる。最新の気象情報に留意してほしい」と呼びかけています。

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