七尾市の和倉温泉にある旅館の経営者などでつくる組合は、22日代表らが市役所を訪れ、茶谷義隆市長に要望書を手渡しました。
要望書では、能登半島地震で大きな被害が出た旅館周辺の護岸を早期に修復するよう求めています。
護岸は、県や市が所有する部分と、旅館が所有する部分に分かれていますが、組合は、すべて県などの所有としたうえで一括で工事を進めてほしいとしています。
和倉温泉にある旅館の多くは七尾湾を臨む海岸沿いに建っていて、市によりますと、護岸は、およそ2.8キロにわたって断続的に崩れているということです。
組合は、護岸の損傷によって二次災害の危険にさらされているうえ、旅館の改修の大きな妨げにもなっているとしています。
要望に対し茶谷市長は「県や国にできるだけ早く要望して、1日も早く旅館が再開できる体制をとっていきたい」と述べました。
宿泊施設 “観光客受け入れ再開には護岸の修復不可欠”
和倉温泉の宿泊施設の多くは、観光客の受け入れ再開には護岸の修復が不可欠だとしています。
このうち、地震前には50の客室で営業していた「ホテル海望」は、露天風呂に30センチほどの段差ができる被害を受けました。
そして、そばにある護岸が崩れたため、波にさらされるようになってしまっています。
露天風呂を直すには、まずは護岸を修復する必要があるということで、少しでも早く着工してもらいたいと考えています。
また「ホテル海望」では、およそ30の客室があった建物が地震の影響で傾き、解体を余儀なくされました。
コロナ禍後の需要回復を見据え、改装を終えたばかりでした。
今後、同じ場所に新たな客室を整備したい考えですが、波や浸食を防ぐ護岸の修復が完了しないかぎり工事を始められないということです。
このため当面は、被災地で復旧作業にあたる人たちの宿泊場所として、大きな被害のなかった建物でおよそ20の客室を稼働させる状況が続く見通しだとしています。
倉本三賀専務は「コロナ禍では少ないながら観光客が来ていましたが、今は全く来ないので、苦しさは比べ物になりません。従業員の出勤日数を減らしているので、モチベーションの低下などを心配しています」と話していました。
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