台風から遠く離れた地域も記録的な大雨 理由は?
「少ない雨でも斜面崩壊や土石流などが起きる危険」
台風10号などの影響で九州から関東にかけての太平洋側で記録的な大雨となりましたが、土砂災害の危険度の指標となる「土壌雨量指数」は関東や東海、四国、九州で高くなっています。今後、少しの雨でも土砂災害の危険度が急激に高まるおそれがあり、雨の降り方や最新の情報に注意してください。「土壌雨量指数」は降った雨がどのくらい土の中にたまっているか、水分の量を示す指標で、気象庁の大雨警報や土砂災害警戒情報はこれをもとに発表されています。地域によって地質や地形などが異なり土砂災害の起きやすさは違うため危険度を正確に表しているわけではありませんが、30日午後5時時点では、鹿児島県や大分県、高知県や徳島県の山沿いを中心に特に高くなっています。
また、紀伊半島の南東部や伊豆半島から神奈川県付近が特に高くなっています。
土砂災害に詳しい専門家によりますと、一般的に雨がやんで1日や2日では土の中の水分はほとんど抜けず、地質の違いを考慮してもある程度の水分が残ったままの状態が続くということです。つまり、土の中の“タンク”は水がたまった状態で抜けきっていないため、今後、少しの雨で土砂災害が発生したり、規模の大きな災害につながる危険性があります。土の中は水がたまった状態で抜けきっていないため、今後、少しの雨で土砂災害が発生したり規模の大きな災害につながる危険性があります。夜間の暗い時間帯は周囲の状況を確認しづらいため、斜面や崖からはできるかぎり離れて過ごすとともに、気象庁の「土砂災害警戒情報」や自治体の避難の情報に注意してすぐに避難できるよう準備をしておいてください。また、土砂災害が発生する前には、「前兆現象」がみられる場合があります。例えば、斜面から小石が落ちてくる、斜面に亀裂ができる、斜面から突然水が湧き出したり川の水が急に少なくなったりするほか、「山鳴り」や「地響き」がするといったものです。土砂災害警戒情報や避難の情報が出ていなかったとしても、こうしたいつもと違った現象に気づいた場合は、すぐに崖や斜面から離れて安全を確保してください。一方で、土砂災害の前に必ず前兆がみられるわけではないことにも注意してください。
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