国土交通省や消防などによりますと、21日午前9時半ごろ、輪島市門前町の国道249号線「中屋トンネル」の北側の入り口付近で土砂崩れがありました。

現場で工事をしていた作業員などと連絡が取れなくなり、22日、捜索にあたっていた消防や自衛隊がおよそ10人を救助しましたが、警察によりますと、このうち男性2人の死亡が確認されたということです。

工事を担当していた業者は、亡くなった1人は作業員だとしています。

業者によりますと、21日は、雨が強まったため午前9時に工事を中断したということで、国土交通省は、救出された作業員から話を聞くなどして当時の状況や2人が死亡した経緯を調べることにしています。

「中屋トンネル」は輪島市の門前町と市街地を結ぶ全長1.3キロの国道のトンネルで、ことし1月の能登半島地震で天井が崩落するなどの被害が出て通行止めになっていて今月25日の通行再開に向け工事を行っていました。

今回の大雨で工事は中断され、通行再開を延期する方向で調整しているということです。

救助された男性「助かって本当によかった」

輪島市の「中屋トンネル」の近くの県道で交通誘導を行っていて土砂崩れにより取り残され、22日、救助された男性が報道各社の取材に応じ当時の状況などを明かしました。

石川県志賀町に住む、堂口英司さん(74)は21日午前9時からトンネルの南側の県道で能登半島地震の復興工事のため交通誘導をしていました。

大雨の影響で1時間ほどで中止となり、帰宅しようとしたところ付近の道路で土砂崩れが発生して1人、取り残されました。

その後、およそ30時間にわたって雨の中、クーラーボックスに座り傘をさして寒さに耐えながら持参したおにぎりを少しずつ食べるなどして県道付近で救助を待っていたということです。

堂口さんは「車をとめていた場所の10メートル後ろで土砂崩れが発生しました。救助を待ちながらいつまで続くのか、このまま死んでしまうかもしれないとも思い、とても不安でした」と振り返りました。

そのうえで「もうこういう経験は二度としたくない。助かって本当によかったです」と話していました。

利用者「崩壊は想像していなかった」

中屋トンネルの近くにある実家に石川県内灘町から毎週末、家族で来ているという40代の男性は「中屋トンネルがせっかく25日に開通するというところだったのに、またこうして崩壊するのは想像していなかったし、中屋トンネルが通れて輪島の市街地に行けるようになるのが希望だったので、こうなるとは思わなかった。これから生活していくうえでもつらいところがある」と話していました。

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