前線や低気圧の影響で、石川県の能登地方では線状降水帯が発生するなど記録的な大雨となり、今月21日午前11時前から22日の午前10時すぎまで大雨の特別警報が出されました。

22日午後10時までの48時間雨量は、輪島市で498.5ミリ、珠洲市で393.5ミリと平年の9月1か月分の雨量の2倍余りに達し、いずれも気象庁が統計を取り始めてから最も多くなりました。

この影響で能登地方の各地で川の氾濫や土砂災害が相次ぎ、石川県によりますと、輪島市で6人、珠洲市で1人のあわせて7人が死亡しました。

また、能登町で1人、珠洲市で1人のあわせて2人の行方が分からなくなっていて、県は災害に巻き込まれたおそれがあるとみています。

さらに石川県は、行方不明者とは別に、輪島市と珠洲市で男女あわせて4人の安否が分かっていないとして氏名などを公表していて、警察や消防などが捜索活動を続けています。

石川県は、浸水被害にあった仮設住宅の片付けを支援するボランティアの募集を始めました。

24日から輪島市内の仮設住宅で、流れ込んだ土砂や泥水をかき出したり災害廃棄物を片づけたりする活動を始めるということです。

56集落が孤立状態 大雨による土砂崩れで道路寸断

石川県内では、23日の時点で56の集落が今回の大雨による土砂崩れで道路が寸断されるなどして孤立状態となっていて、県は、孤立の解消に向けて道路などの復旧を急ぐとともに、被害の実態把握を進めています。

石川県によりますと、今回の大雨による土砂崩れで道路が寸断されるなどして行き来できなくなっている孤立集落は、23日午後3時の時点で、輪島市で40か所珠洲市で14か所能登町で2か所のあわせて56か所となっています。

22日の115か所の半分以下に減ったものの、依然として多くの集落が孤立状態となっていて、食料や物資などを運ぶことが困難となっています。

県は、孤立の解消に向けて道路などの復旧を急ぐとともに、ヘリコプターで支援物資を届け体調を崩した住民を病院に搬送するなどの対応をとっています。

また、被災地では断水が相次いでいます。

県によりますと、大雨の影響で停電によるポンプ施設の停止や水道管の破損が相次ぎ、23日午後3時の時点で▼輪島市で3086戸、▼珠洲市で1744戸、▼能登町で230戸のあわせて5060戸で水道が使えなくなっています。

これら3つの自治体では、23日の時点であわせて22台の給水車が活動したということです。

石川県は、集落の孤立が相次いでいることなどから、大雨による被害を把握できていない可能性があるとして、国などの支援を受けて実態の把握を進めています。

岸田首相「設住宅復旧に必要な国庫負担行う」

岸田総理大臣は、日本時間の24日未明、訪問先のニューヨークで記者団に対し「アメリカにいる間も随時、報告を受け、林官房長官にも直接、電話で必要な指示を行ってきた。私からは、能登半島地震からの復旧・復興の途上であることも踏まえつつ、地元の自治体のニーズをよく把握して対応するよう指示を出した」と述べました。

その上で「今回の大雨で仮設住宅から避難した方もおり政府としても仮設住宅の復旧に必要な国庫負担を行うなど、被災者の方々の心配や不安に寄り添い、一日も早く元の生活に戻れるようしっかり対応していきたい」と述べました。

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