台風18号は急発達で“台風の目”ハッキリ 非常に強い勢力に
大型の台風18号は、きのう29日の夜から急速に発達して非常に強い勢力となっています。中心付近にはハッキリとした台風の目も見られて、発達の最盛期となっています。
このあと台風18号はどのような進路をとるのか、気象庁やアメリカ・ヨーロッパの海外予報機関の予想もあわせて見ていきます。
気象庁(JMA)
このあと台風は台湾付近を非常に強い勢力で直撃またはかなり接近する予想です。台湾の陸地の影響を受けるため台湾付近を通過後は勢力を落としながら先島諸島方面へと進む予想です。
その後は東シナ海を北よりへと進む予想ですが、予報円は大きくなり重なるようになっています。動きが遅くなり5日先には速度はゆっくりとなる予想です。
アメリカ・ヨーロッパも北上予想 東シナ海で動き遅く
アメリカ海軍(JTWC)
台風18号は台湾を直撃する予想で、その後は東シナ海方面へと北上する見込みです。最大風速の予想をみると気象庁と同様に台湾の南の海上で発達のピークを迎えて非常に強い勢力へと発達する予想となっています。
ちなみにアメリカ海軍の最大風速はノット表示です(1ノット=約0.514m/s)。ただアメリカ海軍と気象庁では最大風速の定義が異なるため、気象庁の最大風速と単純に比べることはできません。(アメリカ海軍(1分平均風速)の方が、気象庁(10分平均風速)よりも大きな値となります)
アメリカ海洋大気庁(NOAA)
アメリカ海洋大気庁はアンサンブル予報の結果について発表しています。「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するものです。
台風18号は北上して沖縄から台湾の間あたりを通過したあと、東シナ海から九州方面へと進む予想データが多くなっています。東シナ海の進路予想はかなりバラツキがあり、予報のブレ幅が大きくなっています。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパの予想もアメリカの予報モデルとほぼ同じようなコースを示しています。
なぜ東シナ海で動きがゆっくりに?秋でも偏西風に乗れずにノロノロ
週末から今夜にかけては上空の高気圧の勢力が強まっていて北上をブロックする形となって動きがゆっくりとなっています。
2日(水)になると北側の高気圧は抜けるため台風は北寄りへと進みます。ちょうど台湾に上陸または台湾付近を通過するため陸地の影響を大きく受けて勢力が弱まる見込みです。
台風を加速させる上空の偏西風は朝鮮半島付近を流れていますが、この風に乗れないためスピードは上がりません。
台風は沖縄付近をゆっくり北上しますが、上空の偏西風は南下することなく北上していくため、台風は東シナ海を北上しますが、台風を流す上空の目立った風がないため動きは次第にゆっくりとなる予想です。
台風進路予想の4日先、5日先の予報円が大きくなり重なっているのは台風を流す上空の目立った風がないため予測が難しくなっているのも理由にありそうです。
日米欧のアンサンブル予報でも進路予想に大きな差が
気象庁のアンサンブル予報の結果をみると、気象庁が発表している台風18号の進路予想よりも、北上のタイミングが早い結果を示す計算結果が多く見られます。
アンサンブル予報結果(アメリカ・JTWC)【画像で確認】
アンサンブル予報結果(ヨーロッパ・ECMWF)【画像で確認】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。