日本の南海上で新たな熱帯低気圧発生へ 発達して北上・本州へ接近も
23日夕方現在、フィリピンの東には台風20号があって西へと進んでいます。先週の時点では、台風20号は南西諸島付近から東シナ海方面へ北上するという予想もありましたが、北上はせずに西寄りへ進み、このまま南シナ海方面へと進んでいくとみられます。日本付近への直接的な影響はない見込みです。
一方、日本の南海上をみると、マリアナ諸島付近には別のまとまった雲域があり、低圧部となっています。
この低圧部について気象庁は24日には熱帯低気圧になると予想しています。これが台風になる可能性はあるのか、どこへ向かうかについては、現時点でかなりバラツキがあるものの、このあと発達しながら北上し、本州付近へ接近する可能性を示す予想データも出ています。
気象庁やアメリカ海軍、またアメリカやヨーロッパの予報機関の予想について詳しくみていきます。
気象庁(JMA)
こちらは気象庁が発表している週間天気予報の支援図です。週末以降は本州付近に秋雨前線が停滞して気圧の谷の通過で曇りや雨の日が多くなる予想ですが、今月末になると南西諸島の南付近に「L」マークがついています。熱帯低気圧または来風となって北上してくる可能性があることを示しています。
気象庁は週間天気予報の資料解説で以下のように指摘しています。
・29⽇頃から、熱帯じょう乱の周辺の暖かく湿った空気が⽇本付近に流れ込む可能性がある
・期間の中頃以降、前線もしくは気圧の⾕が東・⻄⽇本付近にのびるが、⽇本の南に予想される熱帯じょう乱の不確実さが影響して、前線の位置や活動程度には不確実性がある
・期間の後半は、各モデルとも⽇本の南に熱帯じょう乱を予想している。ENS(アンサンブル)では沖縄の南に進む予想となっているが、メンバー間のばらつきは⼤きい。海外モデルは⽇本の南を発達しながら北上する予想となっており、モデル間で差がある状況。今後の予想に留意
【画像で見る】11月3日までの雨・風シミュレーション
アメリカ予報モデル 北上して日本列島に接近する可能性も
アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)
アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報結果です。まだ予報はあまり定まっていないモノの、北上して日本のすぐ南の海上へと進んでくる可能性を示すデータもあります。
【画像で見る】11月3日までの雨・風シミュレーション
ヨーロッパモデルも東日本方面へ接近の可能性を示唆
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)
ヨーロッパ中期予報センターでは、予想時刻までの48時間以内に、風速17m/s以上の熱帯低気圧が300km以内のエリアに入る確率を示した予想データを発表しています。その結果を見てみましょう。
フィリピン周辺にある台風20号とは別に新たな熱帯低気圧が発生する可能性が高いエリアが出現して、来週前半にかけて北西方向へ進む可能性を示しています。
その後は北東方向へ向きを変えて日本のすぐ南へと進んで東日本方面に接近する可能性がやや高くなっていると予想しています。
【画像で見る】11月3日までの雨・風シミュレーション
11月スタートは台風接近?日米欧3か国のモデル予想結果比較
それでは日米欧3つの予報機関のアンサンブル予報で示された11月1日(木)9時の結果をみてみます。
「アンサンブル予報」は、数値予報の計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて進路を確率的に予想するもので、11月1日午前9時の天気図をみると、まだかなりバラツキが大きいことがわかりますが、発達して台風となるとみられるものや、本州付近にかなり接近する結果も存在しています。
気象庁(JMA)アンサンブル予報結果(11月1日9時)を確認
アメリカ海洋大気庁(NOAA)アンサンブル予報結果(11月1日9時)
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)アンサンブル予報結果(11月1日9時)
※台風の最新情報については気象庁発表する台風情報をご確認ください。
【画像で見る】11月3日までの雨・風シミュレーション
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。