25日午前6時、マリアナ諸島付近で大型の台風21号が発生しました。正午現在、雲は、台風の東側に偏っていて、上手く渦が巻いておらず、中心付近の最大風速はまだ18メートルです。ただ、海水温が高いためか、風速15メートル以上の強風域の半径がすでに650キロもあり、発生時から大型という異例の台風です。

日本に接近のおそれも

気象庁の台風進路予想を見ると、今後ほぼ西に進む台風は、5日後の30日午前9時には中心気圧970ヘクトパスカルの強い台風となり、予報円の中心は沖縄の南に達します。

そして、スピードが遅くなり進路を北よりに変えています。

これは台風の進む向きが西から東に変わる「転向(てんこう)」の前兆とも考えられ、転向すれば、台風21号が日本方面に向かうおそれがあることを示しています。

なぜ晩秋に台風が日本へ

台風の月別進路を見ると、10月や11月は太平洋高気圧が東に退いているため、その高気圧の縁(ヘリ)に沿って、日本の南海上を東に進むか、全く高気圧の影響を受けずに、そのまま西の大陸方面に進むのがほとんどです。

ところが今年の場合は、太平洋高気圧が、まだまだ勢力を保っているため、高気圧の縁に沿って吹く風もしっかりしていて、台風はその流れに乗ることで転向し、日本に向かうおそれがあるのです。

仮に、実際に転向して日本に上陸するとなると、1951年からの観測史上、2番目に遅い台風上陸となる見込みです。

アメリカ・ヨーロッパの予報は?

ただ、まだ、台風が上陸すると決まったわけではありません。日本の予報は、5日後までしか発表されていません。

外国の予報を見ると、アメリカ海洋大気庁では、西にまっすぐ向かい大陸方面へ。

ヨーロッパ中期予報センターでは、転向したあと、10月末に沖縄を直撃し11月初めに日本の南に最接近、上陸するおそれがあります。

今後の、大型台風21号の進路予想から目が離せません。

RKB気象予報士 龍山康朗

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