4月、宮崎県内は曇りや雨の日が多く、宮崎市では、1か月の日照時間が過去50年間で最も少なくなりました。
記録的な日照不足の影響で農作物にも影響が出ています。

順番に太らずに形がまずおかしくなって

(キュウリ農家 松木 洋さん)
「順調に太らないというところに日照不足(の影響)でていますね」

宮崎市田野町でキュウリを生産している松木 洋さん。

例年、この時期は、出荷の最盛期を迎えるはずですが、日照不足の影響でハウスには商品にならない状態のキュウリが…

(キュウリ農家 松木 洋さん)
「通常でしたら、(先のほうから)順々に太っていくんですけど、日照不足なので、順番に太らずに形がまずおかしくなって…」

収穫量は予定の半分まで落ち込み、湿度が高い状態も続いているため、病気のリスクも懸念されるということです。

(キュウリ農家 松木 洋さん)
「このまま、5月、6月、終わってしまうのかなっていう、ちょっと悔しいところではあります」

宮崎市では過去50年間で最も少ない日照時間

野菜の生育に深刻な影響を及ぼしている「日照不足」。
県内の今月の日照時間は、例年の5割から6割前後しかなく、宮崎市では過去50年間で最も少ない日照時間を記録しました。

(気象予報士 野田俊一郎さん)
「今月の日照時間は6月の平均値よりも少なめになっていますので、今月は『梅雨本番よりも梅雨らしくなってしまった』という言い方もできるのかなと思います」

花の成長が遅れ 出荷が間に合わなかった品種も

20品種以上のカーネーションを生産している宮崎市の吉村農園。
「母の日」に向け、例年、この時期は、およそ2万鉢のカーネーションを出荷しますが、日照不足により花の成長が遅れ、出荷が間に合わなかった品種もありました。

(吉村農園 吉村龍典さん)
「農家としては、もうこんな経験正直したことがない。対策のしようが正直なかった」

さらに、咲いた花にも異変が。

(吉村農園 吉村龍典さん)
「こういうふうに(花が)しぼんでから、その後どんどんどんしおれていく症状があり、商品価値を落としてしまう」

今週末、出荷のピークを迎えるカーネーション。
吉村農園では温度や肥料の管理を工夫し、最善を尽くしたいとしています。

(吉村農園 吉村龍典さん)
「いろんな贈り物がある中でカーネーションっていうのを選んでくださる方々に対して、贈った側も、もらった方にも喜んでいただけるように、愛情込めて最後まで育てて届けたいなというふうに思っております」

この先の見通しは?

この先の日照時間の見通しについて気象予報士の野田さんは。

(気象予報士 野田俊一郎さん)
「若干、日照時間という面では改善の傾向が少しみられるという感じがしますが、この後の、この2週間先、それ以降という形となると、急激に改善するという予想にもなっていないというところなので、しばらく、ちょっと農作物などへの影響は心配な状況が続くかなとみています。(天気は)短い小刻みに変わりそうな傾向もみえていますので、新しい予報を見て対策をしていただければと思います」

※MRTテレビ「Check!」4月30日(火)放送分から

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