この取り組みを始めたのは、能登町出身で地元で民宿を営んできた船下智香子さん(54)と、夫でシェフのベンジャミン・フラットさん(58)です。

地域に伝わる輪島塗に魅了されているという夫妻は、地震の直後に、被災者の支援団体を立ち上げて炊き出しなどをする中、被害を受けた建物に保管されていた輪島塗がやむをえず捨てられていく状況を見て、新しい持ち主に引き継ぐ活動を始めました。

8日も、合わせて10人が木箱に入れられた朱色の御膳を大型の機械で洗ったあと、一つ一つ丁寧に磨いていました。

これまでに、合わせて30人から輪島塗の御膳などが寄せられ、この活動に共感し、自宅などで大切に使い続けようという3人の新たな持ち主に譲ることができたということです。

船下さんは「住宅が被災して、輪島塗を廃棄せざるをえない人もいると思うので、私たちが預かり、大切にしてくれる人に引き継いでいきたい」と話していました。

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