石川県は、5月に開会する県議会の定例会に提出する補正予算案をまとめ、能登半島地震からの復旧・復興に393億円を計上しました。
このうち、広い範囲で発生した液状化については、被害を受けた宅地の修復などへの補助事業に30億円を盛り込んでいます。
総額50万円から1200万円の工事を対象に、費用の3分の2を県が独自に補助する仕組みで、補助額は最大で766万円になるとしています。
建物の傾きや、崩れた擁壁を元に戻す工事のほか、今後の地震に備えた地盤改良の工事も補助の対象だということです。
液状化の被害に対する県独自の補助について、馳知事は「県として、できることから支援のメニューを示していく。財源については『復興基金』を活用することも検討したい」と述べました。
また、今回の補正予算案には、災害関連死や孤立死を防ぐための対策に16億円を充てています。
高齢者向けに、食事や入浴のサービスを行ったり、被災者どうしの交流などを通じてコミュニティーを維持したりするための拠点を整備するほか、戸別訪問で体調のすぐれない被災者を見つけ、保健師や管理栄養士による支援につなげていく取り組みなどを強化する方針です。
石川県の独自補助に 被災者からは安どの声も
液状化の被害を受けた宅地の修復などに、石川県が独自に補助する方針を示したことを受けて、被災者からは、安どの声も聞かれました。
内灘町西荒屋の中井邦美さん(57)と妻の明子さん(55)の夫婦は、築13年の自宅が能登半島地震による液状化の被害を受けました。
建物や塀が傾き、大規模半壊と判定されたということです。
ローンの返済が残っていることなどから、修理して住み続けたいと考えていますが、相談した住宅メーカーからは、ジャッキを使って建物全体を持ち上げたあと、基礎部分の下に、くいを打ち込む工事が必要になると伝えられていて、多額の費用がかかる可能性があるということです。
今回の県の方針について、邦美さんは「結構な費用がかかるので、被災者の負担に目を向けてもらえると、すごく助かります」と話していました。
また、明子さんは「ここに住み続けることが家族の思いです」と話していました。
中井さん夫婦は、再び液状化の被害を受けることがないよう、地盤の改良も必要だと考えていて、補助制度の内容を確認したうえで、どのような工事を行うか検討することにしています。
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