米津龍一気象予報士:

あすの天気に行く前にこちらの話をしたいと思います。

「チャバネアオカメムシ」。見ただけで嫌だなって方も多いかもしれません。

嫌な香りが漂ってきそうです。ちょっと踏むと嫌な香りしますけども、実はこれが 
今、量がすごいことになってるんです。「カメムシ注意報」というのが25府県に発表されています。
昨年までの10年間、1月から5月で平均で5程度なので、つまり5倍の数となってるんです。
山梨県はまだこのカメムシ注意報は発表されていません。農家の皆さんが必死に食い止めているという形になっています。ただ、量は多くなっているんです。

こちらをご覧いただきたいんですけども、これはチャバネアオカメムシのトラップ調査、罠にかけて捕まった数がどれぐらいかというのを表しています。

左のデータが南アルプス市、右のデータが甲州市の塩山です。塩山は今年と平年値を比較してもほとんど変わらないんです。ところが、南アルプス市では4月に平年よりもドーンと数が増えていて、平年の2倍以上に数が多くなっているんです。
7月から8月は産卵期になるのでピークに入るんですが、それよりも前に数が多くなっています。

どうしてこんなに増えているのか、理由が考えられるのはこちらです。

今年の冬、暖冬だった影響で、カメムシが死なずに冬を越してしまったからです。カメムシというのは高温多湿を非常に好む性質があります。

この先どうなるのかということになるんですが、3ヶ月予報がきのう発表されましたので見てみますと、なんと6月、7月、8月、気温がずっと高い傾向にあります。

高温でも逆に高すぎるとカメムシが生きられないっていう話もありまして一概には言えないんですが、農家の皆さんはまだまだ油断できない状況が続くと見ています。
一方、降水量を見ていくと、7月は並みか多めなんです。ですから、今年の梅雨、まだ梅雨入りがいつになるかは正直わからないんですけども、仮に期間が短かったとしたら、雨が一気に多くなると1回に降る雨の量が多くなる可能性がありますので、梅雨の大雨要注意。梅雨が明けた後は猛暑になりそうですし、8月も猛暑の恐れがありますので、くれぐれも暑さへの備え、今年もいつも以上にお願いします。

ではあすのお天気のポイントはこちら。

雲が主役で、ムシムシ。蒸し暑い方です。

沖縄奄美に延びる梅雨前線の近くでは雲が広がりやすいということになりまして
あすの朝の時点では山梨県内にはこの雲はかからない予想となっています。

ところが、この前線が次第に北上する形となります。

ですから、これによってすっきりしない空模様となりそうです。

この前線に近い県の南の方ではあすの予報がちょっと難しいところはありますが、
弱い雨、通り雨の可能性があります。

それが県の南の方の峡南・富士五湖。所々で雨の可能性がありますので念のためカバンの中に折りたたみの傘があると安心です。

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