第82期名人戦第5局2日目、豊島将之九段に勝利して初防衛し、感想戦で対局を振り返る藤井聡太名人=北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで2024年5月27日午後8時9分、貝塚太一撮影
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 北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで26日から繰り広げられた第82期名人戦七番勝負の第5局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、紋別市など地元共催)は27日午後7時49分、藤井聡太名人(21)が挑戦者の豊島将之九段(34)を99手で降し、対戦成績4勝1敗で初防衛を果たした。タイトル戦は敵なしの22連覇で、自身が持つ最長記録を更新し、全8冠を堅持した。持ち時間各9時間のうち残り時間は藤井名人1時間1分、豊島九段3分。

 両者のタイトル戦は5度目で、豊島九段は5期ぶりの名人復位を目指した。昨年から人工知能(AI)を使った研究の比重を減らし、戦法の幅を広げた挑戦者の戦いぶりが注目されたシリーズだった。AI研究が終盤まで進む角換わり戦は現れず、第4局でカド番をしのいだ豊島九段は第5局で四間飛車に振り、名人戦では13年ぶりに居飛車と振り飛車が対峙(たいじ)する「対抗形」の戦いになった。藤井名人は対抗形で度々採用する穴熊に囲い、危なげなく押し切った。

 藤井名人は、名人戦と並行して進む第9期叡王戦五番勝負(不二家主催)では伊藤匠七段(21)の挑戦を受け、第3局を終えて1勝2敗とカド番に追い込まれている。31日の第4局に敗れると、2023年10月に達成した全冠制覇が初めて崩れる。【丸山進、新土居仁昌】

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