知らない人同士で次々とお守りが入った箱を交換する参拝者ら=奈良市菅原町の菅原天満宮で2024年6月25日午前11時10分、稲生陽撮影

 国内最古の天満宮とされる奈良市の菅原天満宮で25日、5年ぶりとなる奇祭「鷽(うそ)替え神事」があった。参拝者約120人は「替えましょ、替えましょ」というかけ声に合わせ、鳥のウソをかたどった木彫りのお守りが入った箱を次々と交換。うそを真実、吉事に替えるというおまじないで、参拝者らは交換を通じて交流を深め合った。

 祭神の菅原道真公が祈とうした際、参拝者に襲いかかったハチをウソの群れが食べて救ったという伝説に基づく神事。手彫りのお守り(約9センチ)は雰囲気が一体ずつ違う可愛らしさから人気を集めていたが、ここ4年はコロナ禍のため中止していた。

大きさ約9センチの手彫りのウソお守り=奈良市菅原町の菅原天満宮で2024年6月25日午前10時33分、稲生陽撮影

 中村眞一(まさひと)宮司は「やっと、という思い。コロナ禍を経て、人同士のふれ合い、支え合いの大切さを実感した」と感無量の様子。箱に記された番号での福引で特賞の大ウソ像(高さ27センチ)を当てた同市西大寺本町の自営業、岩田善章さん(74)は「大変光栄。今日は数十回は交換したが、これまでウソをついたことはありません」と笑顔を見せた。【稲生陽】

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