人気シリーズ『バッドボーイズ』で無敵の観客動員力を証明してみせたウィル・スミス MANNY HERNANDEZ/GETTY IMAGES
<2022年のアカデミー賞授賞式で起こった衝撃のビンタ事件。Xにあふれるウィル・スミスへのエール、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』とその後に控える出演作。映画ファンは彼に味方したようです>
映画ファンはウィル・スミスを許したらしい。新作『バッドボーイズ RIDE OR DIE』(日本公開中)で、スミスは驚異のカムバックを果たした。
事件が起きたのは2022年3月のアカデミー賞授賞式でのことだった。プレゼンターを務めたコメディアンのクリス・ロックが壇上でスミスの妻ジェイダの脱毛症を揶揄。これに激怒したスミスがステージに駆け上がり、ロックに平手打ちを食わせたのだ。
この一件でスミスはハリウッドの鼻つまみ者となり、10年間アカデミー賞関係のイベントへの参加を禁じられた。
だが観客は彼に味方した。映画情報サイトのボックス・オフィス・モジョによれば、『バッドボーイズ』は公開直後の週末に世界で1億460万ドルの興行収入を上げた。6月7日に封切られたばかりなのに、既に今年の興行ランキングで7位につけている。
SF大作『アイ・アム・レジェンド』の続編も待機中
スミスとマーティン・ローレンスの刑事コンビが大暴れするアクションシリーズも、今回で第4弾。SNSには満席の映画館を写した画像があふれ、スミス自身も映画館に登場してファンを驚かせた。
映画監督のマシュー・A・チェリーは、X(旧ツイッター)に「言っておくが僕らがウィル・スミスを見限ったことは一度もない」と投稿した。
To be clear we never stopped rocking with Will Smith.
— Matthew A. Cherry (@MatthewACherry) June 4, 2024
ほかにもSNS上にスミスへのエールがあふれた。例えば──
「あのビンタくらいでウィル・スミスのキャリアは失速しない。黒人の観客はそもそもクリス・ロックなんか相手にしていない」。
「あと10回クリス・ロックをひっぱたいてもいいから、もっと『バッドボーイズ』を見せて」
「メディアも同業者もスミスを干そうとしたが、彼は客を映画館に呼べる最後の映画スターの1人だ」
2022年12月にアップルTVプラスで主演作『自由への道』が配信された以外、スミスに目立った動きはなかった。
だが『バッドボーイズ』を皮切りに、再び上昇気流に乗りそうだ。1987年の人気コメディー『大災害P.T.A.』のリメークでは、コメディアンのケビン・ハートと共演する。SF大作『アイ・アム・レジェンド』の続編も公開が待たれる。
授賞式でロックを平手打ちした直後にスミスは『ドリームプラン』で主演男優賞を獲得し、受賞スピーチで事件に触れた。翌日には「昨夜の行動は許し難く、弁解の余地もない」と、謝罪コメントを発表した。
「ジェイダの病気をジョークのネタにされ、つい感情的になってしまった......クリス、君には公の場で謝罪したい。あれは一線を越えた行為で、私が間違っていた。恥ずかしいことをした。私がこうありたいと願う男にふさわしい行動ではなかった」
潔く謝ったことが好感度の維持につながったのかも。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。