図書館に泊まるイベントで、参加者が利用する段ボールベッドなどを準備をする職員たち=真庭市立中央図書館提供

 本に囲まれ、読書三昧(ざんまい)の一夜を――。岡山県真庭市立中央図書館で9月13日、図書館に宿泊するイベントが開かれる。開催のきっかけは、作家の高橋源一郎さんが出演する人気のラジオ番組だった。

 高橋さんが出演するNHKのラジオ番組「高橋源一郎の飛ぶ教室」は毎週金曜の午後9時5分から放送されている。前半に高橋さんが1冊の本を紹介し、後半は多彩なゲストと語り合う「夜の学校」として人気を集める。

ラジオ番組「高橋源一郎の飛ぶ教室」の放送200回に合わせて、番組で紹介された全200冊を紹介するコーナー=真庭市立中央図書館提供

 真庭市立中央図書館は、飛ぶ教室の放送が100回目となった2022年、それまで紹介された全100冊を館内に展示して紹介した。職員がその取り組みの様子と「200回目もやります!」とのコメントを番組に投稿すると、オンエアで読み上げられた。

 そのため同館は、200回目となる9月13日の放送に合わせて、次は全200冊を展示することにした。さらに今回は、放送時間に合わせて図書館でラジオを一緒に聞くイベントを市民らと企画していたところ、「せっかく夜に集まるなら、お泊まり図書館をやろう」と決まったという。

 宿泊イベントの参加者は13日夜に図書館に集合。読書をしたりラジオを聴いたりして自由に過ごし、翌朝に解散する予定。普段から図書館で活動する市民グループ「コタツのゲーム研究会」も、前日から段ボールベッドの設営や夜の見回りなど運営を手伝う。参加募集は既に終了している。

 西川正館長(57)は「普段から図書館のスタッフと市民が直接対話ができる風通しの良い環境がある。これからも面白いことを発信して多くの市民に図書館を利用してもらいたい」と語る。約5年前に真庭市に移住してきた司書の上杉朋子さん(54)は「新しいことを楽しめる市民が多い。13日は皆さんどんな夜を過ごされるのか楽しみ」と話している。【今東理恵】

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