俳優の池波志乃さんが31日、東京・ビッグサイトで開催された「第24回JAPANドラッグストアショー・スペシャルトークショー」に登壇しました。
池波さんは、今年5月16日に夫の中尾彬さんを心不全で亡くして以来、初めてのイベント出演となりました。
イベント冒頭の挨拶で、池波さんは″中尾が亡くなりまして、今日でちょうど115日目でございます。最初は終活とかして覚悟をしていたんですけれど、あまり急に逝ってしまったので、ちょっと一時しょげていまして、人前に出るのも今日が初めてで、なんかちょっとドキドキしてます。こういう場だと大抵2人で出ていることが多かったものですから…“と、夫の不在に寂しげで不安な表情を浮かべました。
この日、池波さんはブルー系の洋服に合わせたブルーフレームの眼鏡をかけて登場し、“(中尾さんは)「ねじねじ」が、なんか有名になっちゃってるんですけど、実は眼鏡マニアでして、亡くなった時に数えたら100コぐらいあったんです”と明かし、 “私、結婚指輪も婚約指輪も、もらったことがないので、普通だったら彼からもらった指輪とか持ってやってくるんでしょうけど、無いので(中尾さんをこの場に)連れてきてあげようかと、もらった眼鏡をしてきました”と語りました。
中尾さんの死後について“(料理を)1人前、作るのが難しい。反応があるから作れるんだな…と、だから何となく作るのが萎えています”と、振り返り“最初、50日くらいまでは、ほとんど覚えてもいなくて、何も食べたくなくて10キロ以上(体重が)落ちてしまいました。いまは体重も戻ってきて、1人前を、どうやったらおいしく作られるか研究しています”と、中尾さんが書き残した食事日記へ、作ったメニューを書き入れることを再開し、“(中尾さんは)ギリギリまで自分が役者でいるための努力をしてたので、私がへこたれてたら怒られるなと思います”と徐々に活力を戻していると明かしました。
イベント後の会見で池波さんは“中尾彬のために今、公的ないろんなことを忙しくやっている状態で、1人になっちゃったなっていう気がするのは、…本当にご飯食べる時ぐらい。だから今、(忙しい事で)元気にさせてもらってるかなって思いますね。昔はそれぞれが仕事していた時は、どっちかが舞台で1か月は家にいないとか、ロケで1週間いないとかっていうのを、長年やってきたので、何かその時代に戻ったような…だから劇場に出ていて、もうすぐ帰ってくるのかな?「ただいま」って帰ってきそうな気がしてしょうがないですね”と、思いを明かしました。
中尾さんの晩年について聞かれた池波さんは“そういうことをね、あんまり覚えてないんですよ。やったことはもちろんね、ちゃんと覚えてはいるんですけど、何か実感が湧かない”と、言葉に窮しつつ“なんかこういう(答えに窮した)時に隣にいないのが、今、初めて感じました。この状態を…今日がそれこそが初めてなんですよ。だから今すごく、初めて変な感じがしてます。『隣にいないんだな』ってちょっと実感しました。何か勝手に頑張れてたんだなって今ちょっとやばい感じです”と夫の不在を実感した様子。
最後に、池波さんは、この日のイベントを振り返り“私ね、多分いつもここに(背後に中尾さんが)いると思ってるんですよ。自分で気に入って作ったお墓にもリビングの位牌にもいなくて、なんか絶対くっついてきてるとすごく思い込んでるの。だから(帰宅して)「ただいま」って最初のうち言ってたんです。でも、この頃は言わないで一緒にしゃべりながら家に帰ってきた感じで、エレベーターの中からしゃべり始めて、ちょっと独り言が増えて怪しい人になってますね”と自虐しながらも“でも「絶対いる」と感じていた方が幸せです”と語り、“良かった泣かないで済んだ”と笑顔を見せて会場を後にしました。
【担当:芸能情報ステーション】
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