熊本市で4月14日、『源氏物語』を題材にした演劇『葵上(あおいのうえ)』が上演されます。稽古に励む出演者たちに舞台への意気込みを聞きました。

三島 由紀夫・原作の演劇『葵上』は『源氏物語』を題材にした能を基に作られました。

今回、今年9月に熊本市に開校する予定の九州芸能学館の開校記念として上演されます。

【演出・美術 上村 清彦さん】
「三島由紀夫の強烈な磁場があるので、その磁場の中で遊んだという感じですかね。当然、三島 由紀夫の意図は裏切っています」

病気で入院している妻・葵のもとに夫の若林 光が見舞いに訪れます。そこに、かつての恋人・六条 康子が現れ、復縁を迫ります。この康子は、実は恋しさのあまり、生き霊となって現れた姿でした。

フレッシュなキャストのみずみずしい演技が情念にとりつかれた男女の業を静かに浮かび上がらせます。

【六条 康子 役 大野 栞莉さん】
「いかに康子を自分の中に取り入れるかに気をつけて演じています。康子の生きざま。霊なんですけど、生きざまを見に来てください」

【若林 光 役 米園 隆稀さん】
「感情の浮き沈みを心の中では持っているんですけど、それをきちっと出しつつも、解放しすぎないというか、微妙な調整はすごくシビアにやっています。2月14日、3月14日に続いて、4月14日は『バレンタインデー』『ホワイトデー』に続いて『オレンジデー』で『愛を育む日』といわれているんです。本作品の中でも、愛について描かれているので、そんな日にふさわしい舞台にしようと思っています」

【演出・美術 上村 清彦さん】
「まず美しいなと。三島作品、特にこれはその美がないとクオリティーを保てないので。そこはまずスタートラインで。生き霊となって恋する男に会いに行きたいほど追い詰められた一人の女の絶望と孤独を思いっきり出しています」

九州芸能学館・開校記念公演『葵上』は、熊本市男女共同参画センターはあもにい・多目的ホールで、4月14日(日)午後2時開演です。

(問い合わせ)
HBAグループ・チケットセンター
096-327-8583

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