高知県在住で「土佐の寅さん」の異名を持つアマチュアの漫談家がいます。
30年近く全国で笑いを届けてきたこの男性が、11月14日に岩手県矢巾町で講演し、47都道府県制覇を成し遂げました。
14日に矢巾町を訪れたのは高知県在住のアマチュア漫談家・間六口(はざま むくち)さん78歳です。
28年前から全国各地で漫談の講演をしていて、今回の岩手訪問で47都道府県全て制覇することになります。
14日に訪ねたのは地元の住民が開いている高齢者サロン「お茶っこ会」で、65歳から87歳まで40人ほどが集まりました。
映画「男はつらいよ」の主人公・車寅次郎に扮する間さんは、これがいつものスタイルです。
間六口さん、本名・坂本純一さんは、幼いころからお笑いが大好きで、高校3年生の時には松竹新喜劇のオーディションに応募しましたが、父親の反対もあり芸人の夢を一度諦めてしまいます。
その後公務員の道に進み忙しく働いていた40代半ばに人生を変える出来事がありました。
不整脈に悩み息が止まるのではと怯える日々が続く中、小学校から高校まで一緒だった同級生が白血病で亡くなったのです。
アマチュア漫談家 間六口さん
「ものすごいショックで、自分の病気と重なり合って人間って死ぬんやと。もう自分のやりたいことをやって(人生を)終わりたいなと思うようになりましたね」
命に限りがあると痛感したことで、「芸人」の夢の実現を決意した間さん。
寅さんへの憧れを胸に「プロに負けない話芸を身につけたい」と口上集を読んだほか、大道芸の修行で各地を訪ね芸を磨きました。
仕事の傍ら50歳のころ活動をスタートし、退職した後は本格的に全国を回りこれまで1700回以上講演を重ねてきました。
アマチュア漫談家 間六口さん
「『親孝行したくないのに親がおり』とか、『親孝行するもしないも金次第』って、嫌な時代になりました。親子の会話もさえません。親の虐待・子の虐待、息子が親父に『グレてやる』と言えば、親父は息子に『ボケてやる』と応酬する始末」
プロ顔負けの話芸は矢巾町の人たちも魅了。1時間の講演中、会場は大きな笑いと拍手に包まれました。
訪れた人
「楽しいです。あちらさんから少し(パワーを)もらいましたよ」
「私今病気中で、友達いないと来られないような状態なの。本当にきょうはね、長生きさせてもらった。生き返った。だって本当に底から笑えた」
アマチュア漫談家 間六口さん
「(全国制覇を)夢にして良かったなって。夢はかなうもんだなって。笑いというのは人を元気にしたり幸せにしたりする魔法の妙薬みたいなものだと常日頃から思っていますので、今度はフーテンの寅さんみたいにふらっと各地を訪れて、そういうところで皆さんにもう一度喜んでいただけたらありがたいかなと」
笑いで生きる力を届けたいー。その思いを叶えるための間さんの旅はこれからも続きます。
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