主人公の猪爪寅子(伊藤沙莉)=中央。左は母親の猪爪はる(石田ゆり子)、右は下宿人の佐田優三(仲野太賀)(C)NHK

放送開始からまもなく1カ月となるNHKの連続テレビ小説「虎に翼」で、週ごとのサブタイトルがネット上で話題になっている。29日から5月3日に放送される第5週のサブタイトルは「朝雨は女の腕まくり?」。毎週、女性にまつわることわざや格言が選ばれており、サブタイトルからストーリー展開を予想する楽しみも広がっている。

「ひまわり」を踏襲

「虎に翼」は、伊藤沙莉が演じる主人公・猪爪寅子(ともこ)をはじめ、女性の社会進出が困難だった戦前を舞台に法曹の世界を目指す女性たちの物語。ここまでのサブタイトルは第1週の「女賢しくて牛売り損なう?」に始まり、第2週「女三人寄ればかしましい?」、第3週「女は三界に家なし?」、第4週「屈み女に反り男?」と、いずれも「女」を含むことわざが続いてきた。

このため、ネット上では「半年後の最終週までネタが続くのか」「女に関することわざを辞書で見てみたら24個。ちょうど半年分くらいある!」と盛り上がりを見せている。

ことわざの後に「?」をつけるスタイルは、同じく弁護士を目指す主人公を松嶋菜々子が演じた平成8年放送の朝ドラ「ひまわり」を踏襲。こちらは週ごとではなく、全14章のタイトルが「出るクイは打たれるの?」「二兎を追うもの一兎も得ず?」などとなっていた。

「?」に込められた意味

ただ、タイトル末尾につけられた「?」には、「虎に翼」の方がより強い意味合いが込められている。ここまで5週のサブタイトルが、いずれも女性にとってネガティブな意味が込められたことわざだからだ。

「女は利口なようでも目先の利害にとらわれて物事をやりそこなう」という意味の「女賢しくて牛売り損なう?」がサブタイトルとなった第1週で、寅子はお見合いの席で自身の知識や意見を堂々と披露。その結果、相手に縁談を断られてしまう。ことわざ通り「牛売り損なう」結果に終わったようにみえる。

だが、そうした女性の翼を縛り付けるものにあらがうように、寅子は「はて?」という口癖とともに疑問を投げかけ、未来を切り開いていく。第1週の後半では女性が法律を学ぶための学校の存在を知り、周囲を説得して進学を果たす。

「二夫にまみえず」確定?

その週のテーマやストーリーに関連したことわざが選ばれているだけに、ネット上ではサブタイトルから物語の展開を推測する動きも広がっている。寅子の父親が汚職に関与して逮捕された後の第5週のサブタイトルが「朝雨は女の腕まくり?」だと明らかになると、さっそくSNSには投稿が相次いだ。

「知らない言葉だから調べてみたら『朝の雨はすぐに止むから、女の腕まくりと同様にこわくない』という意味だった。そんなのに負けず寅ちゃん頑張れ」

「こんなことわざが今はすたれたように、寅子がお父さんの無実を証明してくれるはず」

逆に、寅子のモデルで初の女性弁護士の一人となった三淵嘉子さん(1914~84年)の生涯も重ねながら、今後、どんなことわざがサブタイトルに使われるか予想する人も。

「寅子が晴れて弁護士になる週のタイトルは『女の一念岩をも通す』かな。でもこれだと『?』がいらないし」

「三淵さん再婚されてるから『貞女は二夫にまみえず?』は採用確定!」

寅子はこの先、女性初の弁護士となり、戦後は裁判官に転身していく。それぞれの週、そして最終週のタイトルは何になるのか。今から想像してみるのも楽しいかもしれない。

連続テレビ小説「虎に翼」

NHK総合 (月)~(土)午前8:00~8:15ほか ★土曜日はダイジェストを放送

NHK BS/NHK BSP4K(月)~(金)午前7:30~7:45ほか

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