名古屋市中区で指された第9期叡王戦五番勝負(不二家主催)の第3局で、挑戦者の伊藤匠七段(21)が藤井聡太叡王(21)に勝って2勝1敗とし、初のタイトル獲得に王手をかけた。終局後の両者のコメントは以下の通り。
伊藤七段「中盤のバランスに課題」
――午前は速いテンポだったが想定の範囲か。
伊藤七段 5二金型をやってみようと思っていたが、かなり手が広い将棋なので、どういう展開になるのかやってみないと分からなかった。
――79分長考した手があったが。
◆歩を垂らした手からの進行でかなり損をしてしまい、自信の無い展開になってしまった。
――持ち時間を使い果たして秒読みになった局面の形勢は。
◆その直前は負けがありそうな気がしたが、秒読みに入った辺りは、こちらにも手段がありそうだった。
――その後、藤井叡王から連続王手をかけられた。
◆はっきり分からないまま指していた。
――勝ちを意識したのは。
◆(最終手の)桂馬を打って勝っていそうだなと思っていた。
――本局を振り返って。
◆中盤のバランスの取り方に課題が残ったので、修正していかないといけない。
――タイトル奪取に王手をかけたが、31日の第4局にどう臨むか。
◆本局はかなり課題が残る内容だったので、しっかりと振り返って臨みたい。
藤井叡王「秒読み直前にうっかりした」
――序中盤はどうだったか。
◆こちらから先に仕掛ける展開になったが、こちらの玉も攻められ出すと薄いので一手一手難しい将棋かなと思っていた。
――秒読みに入った局面の形勢は。
◆直前の銀を出られる手をうっかりしたので、負けにしている可能性は結構高いかなと思っていた。
――タイトル戦で先に王手をかけられた。
◆星取りとしては厳しい状況になってしまった。
――先手番で落とすのは2023年8月の王座戦五番勝負第1局以来。
◆終盤がかなり読めていなかったところが多かったので、それが結果にも出てしまった。
――第4局への意気込みを。
◆本局は難しい将棋だったが、中盤から終盤に入る辺りは、何か手段があってもおかしくない感じで、その辺りで間違えてしまったのは課題が残るところだった。カド番にはなってしまったが、やることは変わらないのでしっかり準備して頑張りたい。
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