大分県別府市の割烹(かっぽう)旅館もみやで18日から繰り広げられた第82期名人戦七番勝負の第4局(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、九州電力、QTnet協力)は19日午後8時49分、挑戦者の豊島将之九段(34)が藤井聡太名人(21)に95手で勝ち、対戦成績を1勝3敗とした。カド番をしのいだ豊島九段は対藤井戦の連敗も12でストップ、通算成績は12勝25敗となった。持ち時間各9時間のうち残り時間は豊島九段9分、藤井名人6分。第5局は26、27両日、北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで指される。
豊島九段が横歩取りの戦いに誘導した本局。双方の駒が入り乱れる乱戦を制し、待望の初白星を挙げた。
63分考えた挑戦者の封じ手は7七桂だった。藤井名人は少考で3三桂。挑戦者は次の手にも44分使って6五桂と跳ね、攻め合い志向の一手に控室では歓声が上がった。藤井名人も100分の長考で2五桂と跳ね、互いに後戻りできない真っ向勝負となった。
控室の評判は挑戦者有利から、夜戦に入ると優劣不明に。しかし、藤井名人の6二銀(60手目)と角に当てた4三歩(66手目)が疑問だったようで、豊島九段が3九飛と銀を取った上、角も逃げると、再び流れは挑戦者に傾き、そのまま押し切った。
解説の佐々木大地七段は「豊島九段は自分から崩れず、藤井名人のミスを誘った。均衡した局面から名人がこれだけ急に崩れたのは珍しい」と話した。【新土居仁昌、丸山進】
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