人気演芸番組「笑点」(日本テレビ系)の大喜利新メンバーに落語家、立川晴の輔(51)が選ばれた。立川流からのレギュラー入りは初代司会の立川談志さん(当時は落語協会所属)以来、55年ぶり。東京の落語界の4会派(落語協会、落語芸術協会、五代目円楽一門会、立川流)が、ついに同じ船に乗ることになるエポックメーキング的な新加入だが、同時に失ったチャンスもあるという。
晴の輔が入るまでの「笑点」メンバーは、司会の春風亭昇太(64)、三遊亭小遊三(77)、桂宮治(47)が落語芸術協会、林家たい平(59)と春風亭一之輔(46)が落語協会、三遊亭好楽(77)が五代目円楽一門会の所属だ。
「毎回、新メンバーが入るときはどの会派から選ばれるのか、バランスが注目されました。しかし立川流はこれまで入ってきませんでした。若い世代は会派を超えて行動することを求めていますが、分裂時のどたばたを快く思っていない世代もまだいます。それだけ溝が深かった。今回、立川流が加わったことで新たな流れが生まれるかもしれません。日本テレビの功績は大きいといえるでしょう」と演芸関係者は話す。
しかし、一方で女性の落語家は、今回もまた大喜利メンバーからは外れることになった。
「六代目三遊亭円楽さんの後任が取り沙汰されたときもそうでしたが、今回も実力派と目される蝶花楼桃花や林家つる子らの名前が噂されながらも実現しませんでした。現在放送中のNHKの朝ドラ『虎に翼』が女性の社会進出や活躍を描くドラマとして注目されていますが、『笑点』も新機軸を見せるチャンスでした。しかし結局、女性が入ることで不協和音が生じることを恐れる旧態依然とした体質は変えられなかったということです。今回も〝隣の家の内幕を噂する奥さん〟というお題が出るなど、番組の抱く女性像は相変わらずステレオタイプと言わざるを得ません」と女性誌編集者は指摘する。
さらに上方落語界の落語家の起用はさらに厳しい状況だという。
「これはもう、お金の話です。やはり月2回の交通費を出すのが厳しいというのがもっぱらの見方です。療養中だった六代目円楽さんの代演として月亭八方さんら関西の落語家が助っ人参戦したこともありました。しかし、寂しい話ですが金銭的な事情でレギュラー入りはハードルが高かったということです」と先の演芸関係者は話す。
いずれ新しい風を吹かせるときが来るのだろうか。
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