自民党の政治資金問題をめぐり急遽会見を開いた比例東北ブロック選出の菅家一郎衆院議員。派閥からキックバックされたカネを党支部に寄付する方法で、148万円余りの還付金を受けていたことが分かった。
<違法性はない>
「個人で寄付してきた税の控除については、当然返還してきたのは当たり前のこと。なんら法的に違反していることは一切ないわけですよ」
「違法性はない」との認識を強調し、離党や議員辞職を否定した自民党の菅家一郎衆院議員。問題とされたのは、自民党の政治資金問題をめぐるある対応だ。
菅家衆院議員は、安倍派の「清和政策研究会」から5年間で1289万円のキックバックを受け取っていた。
その全額を個人名で寄付していたのは、自らが代表を務めていた自民党福島県第四選挙区支部。そこで使われていたのが「寄付金控除」だ。
これは、個人が政党や政党支部などに寄付を行った場合、所得税が控除されるもの。菅家衆院議員は、この法律に基づき、2021年までの4年間に2378万円余りを控除申請し、148万2300円の還付金を受け取っていた。
派閥からキックバックされたカネを、党支部に寄付する方法で税の優遇を受けていた形だ。
<地元からは厳しい声>
「法に則って、制度に則って申請をして、還付を受けてきた案件であります。これは故意ではないですよ。派閥が収支報告書に書くなと言って、個人名義で書くしかないじゃないですか」という菅家衆院議員。
2024年1月に還付金は全て返還したということだが、地元・会津若松市の市民は…「信用はないですね。こんなことやってるのだなと思って。俺ら必死で働いでいるときに…」「自分たちに増税しておきながら、そういうので手に入れようとしているのは許せないですし、正してほしい」との声が聞かれた。
<税優遇の仕組み・寄付金控除>
寄付から税優遇を受けた菅家議員、どんな仕組みなのか?
利用したのは寄付金控除という制度。「個人」が国や自治体、政党などに寄付を行うと、所得税が優遇されるというもの。
今回、菅家議員は、自身の政党支部に寄付をし、所得税の優遇を受けていた。
<キックバックを寄付>
この寄付に使われたのが、派閥からのキックバック、だった。
菅家議員は、2018年から4年間で1289万円のキックバックを受け取っていて、寄付をするとなると、派閥のお金だから「派閥名義」にすべきところを「個人名義」にしていた…制度上は個人からの寄付でないと使えないので、本来受けるべきではない税の優遇を受けていたという見方ができる。
これに対し菅家議員は、『「記載するな」と言った派閥の対応が大きな問題。個人名義にしたことは重く受け止めているが、法律上は何ら問題ないこと』とした。そもそも、自身の政党支部に寄付をしても税の優遇が受けられるのが現状だ。
裏金事件を受けた政治資金規正法の改正については、5月28日修正の協議が行われる。菅家議員は「こういった案件も議論されるべき」とした。
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