岸田文雄首相は30日の参院内閣委員会で、2026年度から徴収する「子ども・子育て支援金」の額を会社員らの給与明細に明記するかと問われ、「制度の効果を生み出すためにどのようなあり方が望ましいかという観点から、明細への記載などを考えていかなければならない」と述べた。
6月に始まる所得税などの定額減税をめぐり、政府は減税額を給与明細に明記するよう企業などに義務付けている。野党から「それなら新たな国民負担の金額についても明記すべきだ」との声が出ているが、首相はこの日も微妙な答弁に終始した。
26年度に開始予定の支援金は、医療保険料に上乗せして徴収する形を想定している。首相は内閣委で支援金について「国民の負担に関わる問題だ」と言及。「制度が国民にしっかり理解され、効果につながるためにどのような明細が適切か考えていく」と語り、明記するかどうかについての明言を避けた。
一方で首相は、定額減税額の明記義務化について、「手取り増の効果をしっかり実感していただく」と重ねて意義をアピール。「行動経済学の考え方からも、給与明細へ減税額を明記するのは適切な対応だ」と強調した。【樋口淳也】
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