自民党は5日、憲法改正実現本部を開き、岸田文雄首相が掲げる総裁任期中(今年9月まで)の改憲のあり方について意見を交わした。自民内では、改憲に前向きな各党各会派のみで条文案を今国会に提出する案が浮上しているが、幅広い合意形成を図るべきだとして慎重論が相次いだ。

 同日の本部会合には古屋圭司本部長、衆参の憲法審査会幹事らが出席。野党第1党の立憲民主党が、拙速な改憲に反対している現状を確認した。改憲に前向きな各党各会派による「緊急事態条項」創設の条文案づくりを念頭に、「自民には改憲を実現する責任がある」といった声が上がったが、強硬姿勢への慎重論も根強く、今後の進め方について結論は出なかったという。

 自民内には、求心力低下に悩む首相が、右派の支持を得ようと改憲に前のめりだとの見方もあるが、同本部幹部は「政権延命に憲法を使うことはあってはならない。我々も大変警戒している」と釘を刺す。(小木雄太)

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