非常時に自治体に対する国の指示権を拡大する地方自治法改正案が6日、参院総務委員会で審議入りした。国会前では、地域主権主義に根差した政治や行政を目指す「ローカル・イニシアティブ・ネットワーク」(LIN-Net)など4団体が、改正案廃案を訴えるリレートークを開いた。

国会前で、地方自治法改正案の廃案を求める参加者ら

 リレートークには、平和団体のメンバーや地方議員、国会議員らが参加。マイクを握った東京都練馬区の池尻成二区議は、非常時に求められるのは国の指示ではなく「自治体への人や金、権限(の移譲)こそが一番の鍵だ」と訴えた。  杉並区の岸本聡子区長と世田谷区の保坂展人区長はメッセージを寄せ、国の指示がなくても自治体が連携して国よりも先に被災地を支援した実例を紹介。法改正で地方分権や地域主権が後退することを危惧した。

国会前で、地方自治法改正案の廃案を求める参加者ら

 リレートークに先立つ参院総務委では、福岡県八女市長を務めた立憲民主党の野田国義氏が「国が正しいとの前提で国の判断が優先されるようになれば、自治体の主体性や自発性が損なわれる」と懸念を示した。衆院で改正案に賛成した国民民主党会派の芳賀道也氏(無所属)も「閣議決定が歯止めになるとは到底思えない」と批判した。(三輪喜人、山口哲人) 

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