近畿大の理事長として入学式で祝辞を述べる前自民党参院幹事長の世耕弘成氏=東大阪市の近畿大で2024年4月6日午前10時29分、井手千夏撮影
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 自民党派閥の裏金事件で党から離党勧告を受けて離党した世耕弘成・前党参院幹事長(参院和歌山選挙区)が6日、理事長を務める近畿大の入学式に出席した。世耕氏は新入生への祝辞で登壇し、「変化の激しい社会で自分の立ち位置をしっかりと把握してもらい、立派な社会人として近畿大を巣立っていただきたい」と述べた。政治資金収支報告書への不記載を巡る言及はなかった。

 近大は世耕氏の祖父で元衆院議員の弘一氏が創設。世耕氏は2019年から2度目の理事長を務めている。この日の入学式は東大阪キャンパスで開かれ、世耕氏は新入生約9000人への祝辞で人工知能(AI)の進化などに触れ、「変化のスピードが速い時代に対応していくことが重要だ」とも語った。

 自民党は4日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、安倍、二階両派の議員ら計39人の処分を決定。安倍派の参院議員でつくる「清風会」会長だった世耕氏は一連の処分で最も重い離党勧告を受け、離党届を即日提出した。

 近大内では、教職員有志が世耕氏について、大学のトップにとどまっていることを問題視。辞任を求める署名活動が続いているが、世耕氏は「政治活動とは関係ない」として続投の意向を示している。【井手千夏】

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