亀岡偉民氏

 自民党福島県連会長の亀岡偉民(よしたみ)・衆院議員(68)=比例東北ブロック、福島1区から立候補=に、自身が代表を務める自民党福島県第1選挙区支部に4年間で1780万円を寄付し、税優遇を受けた疑いがあることが分かった。毎日新聞は7日、亀岡氏側に対し、実際に控除を受けたかなどを書面で質問したが、期限とした10日までに回答がなかった。

 福島県選挙管理委員会が毎日新聞に開示した「寄付金(税額)控除のための書類」によると、亀岡氏は2019年に800万円、21年に130万円、22年に350万円、23年に500万円を「自民党福島県第1選挙区支部」に寄付して控除対象として記載していた。亀岡氏は内閣府政務官を務めていた13年にも同様の寄付で税優遇を受けて批判されたが、継続していた可能性がある。

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を巡っては、自民党の党内アンケートで、安倍派(清和政策研究会)に所属していた亀岡氏は18~22年の5年分で不記載・誤記載額が348万円あった。3月に福島市の県庁で記者会見した亀岡氏は、安倍派からの寄付について、自身からの借入金名目で収支報告書に記載していたとして「記載漏れはなく誤記だった。裏金もなければ脱税もない」と述べていた。

 亀岡氏は作新学院高校(宇都宮市)で捕手として江川卓さん(元巨人)とバッテリーを組み、甲子園に2度出場。早稲田大野球部の助監督を務めたこともある。農相などを務めた故・亀岡高夫氏の養子になったのを機に政界入り。21年の衆院選で5回目の当選。副文科相や副復興相を歴任し、23年11月から自民党福島県連会長を務めている。

 一連の問題では、自民党の菅家一郎・衆院議員(比例東北ブロック、福島4区から立候補)、稲田朋美・幹事長代理(衆院福井1区)、立憲民主党の吉田統彦(つねひこ)・衆院議員(比例東海ブロック)らも、同様の手法で税優遇を受けていたことが明らかになっている。【岩間理紀】

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