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「選択的夫婦別姓」です。10日、経団連が導入に向けて政府に異例の提言を出しました。結婚後の名字の話をどう考えるのか、街の皆さんに聞いてみました。

■「夫婦別姓導入を」経団連が提言

政府は女性の活躍を後押しする方針をまとめました。

岸田総理大臣
「各閣僚が連携をし、政府をあげて取り組みを進めてください」 では、こちらの議論は進むのでしょうか? 経団連 十倉雅和会長
「経団連では、政府に対し、夫・妻それぞれが希望すれば、生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求めてまいります」 経団連は自民党の大スポンサー。選択的夫婦別姓の早期実現を求める、その理由は… 経団連 十倉雅和会長
「名字の問題は、当事者個人の問題として片づけることのできない、企業にとってビジネス上のリスクとなっています」

職場では旧姓を使う、というケースは増えています。ところが経団連のアンケートでは、 女性役員の約9割が不便や不都合を感じているといいます。

経団連 十倉雅和会長
「例えば契約書に通称で署名できない場合があるとか、パスポートやクレジットカードの名義と異なるため空港やホテルでトラブルになるといった、何らかの不便を生じているというのが88%。一番残念なのは、96年に一応、そういう法案ができて議論しようってなった時に、議論しなくて今日まで来ている」 次のページは ■約30年ストップ 夫婦別姓議論

■約30年ストップ 夫婦別姓議論

実は30年近くも前に、法務大臣の諮問機関が選択的夫婦別姓を導入すべきとする意見をまとめ、民法の改正案も準備されていました。ところが…

自民党(当時) 鈴木宗男衆院議員
「家族というもののあり方、別姓がいいかどうか、議論した方がいいと思います」 自民党 松岡利勝衆院議員
「夫婦別姓にすることは、日本的良さを取り戻す上で逆行するんじゃないか」 自民党内などで反対、慎重の声が根強く、国会に法案を提出することもできませんでした。 自民党 野田聖子衆院議員
「何というのかな、反対、賛成という対立軸が生まれてくるとは思っていなかった。少々ショックです」 のちに野田聖子議員とともに、選択的夫婦別姓推進議員連盟の呼びかけ人に名前を連ねたのが、現在の岸田総理ですが… 党首討論会(2021年当時)
「来年の通常国会に選択的夫婦別姓を導入する法律の提出に賛成の方は挙手を」

ひとりだけ手を挙げていません。

ちなみに世界で、夫婦同姓を強制している国は、日本だけです。 林芳正官房長官
「国民の間に様々なご意見があることから、しっかりと議論し、より幅広い国民の理解を得る必要があると聞いて、考えております」 次のページは ■選択的夫婦別姓、あなたの考えは?

■選択的夫婦別姓、あなたの考えは?

70代
「(Q.賛成?反対?)一言でいえば、やっぱり認めるべきだと思う」
「(Q.自身の考えは30年前と変わってきている?)30年前までさかのぼると、こういうことは考えていなかった。娘が働きだして、子育てしながら共働きしている。娘をみていると、選択の範囲はあっていいのでは。結婚したから名字を変えるって非常に不便なことになっている。すべてのことをリセットしてやり直すのかというと、そういうわけにもいかない」 40代
「(Q.選択的夫婦別姓について賛成?反対?)とてもいいなと思った。1日2日がかりで通帳の名前を変えたり、カードの名前を変えたり、会社休みにしてないといけなかったので面倒だった」 通称を使用 30代妻
「(Q.通称での不便は?)公的な書類とか、パスポートを申請するにあたって、どっちだったっけとなることはある。戸籍上のと、普段、使っているのと」
「(Q.夫婦で考え方に違い?)個人の自由だと思うので、個人がどうしたいのか、事情が色々あると思う。ただ夫は自分の名字にしたかったと思う」 30代夫
「最初はそう思った。でも今はこだわりない。せっかく結婚するから一緒にしたいなって。親もそうだったし、そうやって育ってきたので」 70代
「(Q.戸籍上、夫婦別姓だとどんなことが困る?)それはやっぱり子どもでしょ。(子どもの名字を)どっちに入れるかという問題が出てくる」
「(Q.両親が同姓か別姓では、どちらがいい?)やっぱり同姓のほうがいいでしょ」 80代
「(Q.別姓で気になるのは?)別姓というのは連帯感みたいなものが薄れるのではないか、最終的には」 国際結婚をした30代
「(Q.国際結婚で名字はどうしている?)そのまま変えていない。パスポートも免許も変えるのが嫌なので。夫もそのままで、私もそのまま。子どもは日本だと私の名字で、海外だと選べるのでオーストラリアでは夫の名字」
「(Q.不便に感じることは?)別になにも…」 40年越しの思いを聞くこともできました。 44年前に結婚した70代夫
「(Q.自分はどっちを選択?)同姓というつながりがあったほうが、結婚している実感と、結婚を長くもたせるためにはいい方法なのではないかと思う」 44年前に結婚した60代妻
「(Q.自分はどっちを選択?)結婚したときに旧姓でいたかった、言いませんでしたけど」 70代夫
「いま初めて聞いた」 60代妻
「私はその頃から、いつか夫婦別姓がくるんだと思って期待していたが、全然話が盛り上がらなくて、やっとここへきて、やっときたという感じ」 70代夫
「このインタビューで夫婦関係がまずくなるかも。途中で変えられるというなら変えても構わない」 この記事の写真を見る(18枚)
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