日本維新の会の馬場伸幸代表は13日の記者会見で、岸田文雄首相(自民党総裁)と合意した調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)の見直しに関し、当初の合意文書案では今国会で実現させる記述が「入っていた」と明かした。
馬場氏によると、自民と水面下で文書を作成する段階で「今国会中に決着を図るという意味の文案」が入っていた。しかし、自民側から「信用してほしい」「だから期日は外してくれ」と申し出があり、受け入れたという。
旧文通費は国会議員に月額100万円支給される。使途を公開する必要がないため、飲食費などへの流用が問題視されてきた。
馬場氏は「(自民が)『信用してくれ』とおっしゃったから信用した。完全にそれをひっくり返すのであれば、うそつきだ」と述べ、今国会での実現を重ねて要求。維新の松井一郎前代表が「人間をだますよりも、だまされる方に回れ」と母から教えられたというエピソードに触れ、「私もその言葉を受け継いで、人には真摯(しんし)に対応している。政治家だからうそをついてもいいということになれば、これから政治家になる人間はいなくなるのではないか」と語った。
旧文通費の見直しを巡っては、5月31日の首相と馬場氏の党首会談で、衆参議長の下に協議体を設け、使途公開と残金の国庫返納を義務づける立法措置を講ずることで合意したが、時期は明示しなかった。
自民の浜田靖一国対委員長が11日、今国会での実現は「日程的に厳しい」と表明。首相も12日に「具体的な実現時期は合意文書に記載されていないと承知しているが、早期に結論を得たいとの私の思いは国会でも繰り返し答弁している」と時期を明言せず、維新は反発を強めている。【田中裕之】
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