候補者の応援に駆けつけた東京都の小池百合子知事=16日午前、東京都江東区(岩崎叶汰撮影、画像の一部を処理しています)

衆院東京15区補欠選挙が告示された16日、東京都の小池百合子知事は、無所属新人の乙武洋匡氏(48)の応援で街頭に立った。国政復帰のカードを切ることはなく、3選を目指し都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)出馬が濃厚だ。補選で露出を増やし、〝主役〟の座を狙う構えだが、不安材料も抱える。

16日午前、JR亀戸駅北口で行われた乙武氏の第一声に姿を見せた小池氏が「(乙武氏は)蓄えてきた政策を実行したいと頑張っている」と述べると、ひときわ大きな歓声が上がった。

昨秋以降、江東区長選と八王子市長選で自公と協力して元都職員の候補者を推し、勝利に貢献した小池氏。自民都連幹部が「首長選で貸しを作り、知事選で自公の協力を取り付ける」と語る戦略で存在感を示す。

ただ、綻びも垣間見える。今回の補選でも同じ枠組みで乙武氏を支援しようと模索したが、乙武氏の過去の政治姿勢や、女性スキャンダルへの懸念から自公は推薦を見送り。「貸し」を作れなかったどころか、選挙結果次第では小池氏に批判が集中する可能性がある。加えて、小池氏の学歴に疑義を投げかける月刊誌報道も、マイナス要因となりえる。

小池氏側近は「結果的には小池氏が主役になった」と強気だが、立憲民主新人の酒井菜摘氏(37)や日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)、無所属で元衆院議員の秋元司氏(52)、無所属で前参院議員の須藤元気氏(46)、諸派新人の飯山陽氏(48)ら9人が乱立した東京15区を抜け出すのは至難の業だ。有権者を引きつける「小池劇場」だが、派手な立ち回りはもろ刃の剣ともいえる。(大泉晋之助)

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