通常国会が21日に事実上閉幕し、政局の焦点は9月に予定する自民党の総裁選に移る。政治資金問題を受け麻生派を除く5派閥が解散を決めて初めての総裁選になる。派閥単位で支持候補や投票先を決めないとみられ、票読みが難しく、多くの国会議員が出馬する可能性がある。
岸田文雄首相が再選をうかがうのを横目に所属議員はすでに総裁選に向け走っている。石破茂元幹事長は19日、国会内で勉強会を開き、17人が参加した。過去に旧石破派で事務総長を務め現在は岸田派の田村憲久元厚生労働相も出席した。
茂木敏充幹事長は19日に中堅議員が集まる会合に出席し、同日夜には菅義偉前首相と会食した。加藤勝信元官房長官も6月に森山裕総務会長や菅氏らと会合を重ねた。
上川陽子外相は21日の記者会見で総裁選に立候補するか問われ「様々な期待はありがたく受け止めている。期待される仕事をし続ける」と述べた。
報道各社の世論調査では、次の総裁にふさわしい人物として石破氏や小泉進次郎元環境相、河野太郎デジタル相が上位にあがる。高市早苗経済安全保障相も有力候補として取り沙汰される。
これまでの総裁選は派閥単位で候補を出したり、投票先を決めたりしていた。派閥が相次いで解散を決め、議員それぞれの裁量が増す。党内には「従来の派閥にとらわれず候補者の改革姿勢を見て投票先を決める」との声がある。
地方での人気も重要な要素となる。総裁の任期満了に伴う総裁選は国会議員票と党員・党友による党員票を同数で割り振って投票する。1回目の投票で過半数を得る候補がいないと、上位2人から決選投票で総裁を決める方式だ。
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