衆院東京15区(江東区)の補欠選挙が16日、告示された。自民候補がいない東京15区でも論戦の中心は「自民」。だが、姿勢の違いがのぞく。

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 「『逮捕者が出た選挙区』という言われ方は最後にしましょう」。無所属新顔の乙武洋匡氏(48)は16日、訴えた。補選は、選挙違反事件で有罪となった柿沢未途前議員=自民離党=の辞職に伴う。

 一方、自民は当初、乙武氏推薦の方針を表明していた。乙武氏を推す小池百合子・東京都知事は告示直前、推薦を見送った自民についても「関連団体も含めて連携を深めていくことを考えている」。支持層への浸透を目指す考えも示した。

 新顔の金沢結衣氏(33)を擁立した日本維新の会の馬場伸幸代表は16日の応援演説で、「一番悪いのは岸田総理。自身も派閥の議員も処分していない」と裏金事件を批判した。ただ、続いた藤田文武幹事長は演説の多くを、「政治とカネ」を巡る改革の姿勢などを挙げて立憲民主党の批判にあてた。

 昨春の統一地方選では、地盤の関西だけでなく首都圏でも議席を伸ばした。立憲との違いを示し、「裏金問題がおかしいと思う人は必ずいる」(陣営幹部)とみる自民支持層の取り込みも狙う。

 「選んだ政治家がスキャンダル。また起きたら目も当てられない」。立憲の新顔、酒井菜摘氏(37)の演説会で党都連会長の長妻昭政調会長は激しい自民批判を展開した。告示直前に候補取り下げを決めた共産党との共闘が実現し、社民党などの支援も受ける。立憲都連幹部は「岸田政権にとどめを刺す補選」。自民批判票の受け皿を狙う。

 同補選には、ほかに、NHKから国民を守る党の新顔・福永活也氏(43)、参政党の新顔・吉川里奈氏(36)、無所属前職の秋元司氏(52)、政治団体「つばさの党」の新顔・根本良輔氏(29)、政治団体「日本保守党」の新顔・飯山陽(あかり)氏(48)、無所属新顔の須藤元気氏(46)が立候補を届け出た。(中村英一郎、土舘聡一、宮野拓也)

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