自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、自民、公明両党は16日、政治資金規正法改正に向けた実務者協議を始めた。政策活動費の使途公開や政治団体間の資金移動規制を求める公明案を、自民側が受け入れるかどうかが焦点となりそうだ。協議は非公開のため、議論の過程が明らかにならない恐れがある。

◆初回は様子見?「党内議論の情報を共有した」

 自民政治刷新本部で法整備担当座長を務める鈴木馨祐、公明責任者の中野洋昌両衆院議員らが国会内で、1時間余り協議した。鈴木、中野両氏は終了後、記者団に「それぞれの党内議論の情報を共有した」と述べるにとどめた。  自民では、党総裁の岸田文雄首相が、
・議員本人への罰則強化
・外部監査の強化
・デジタル化による透明性向上
の3点を検討事項として指示している。だが、その他の論点は置き去りになっている上、党独自の改革案もない。

◆「連座制」など掲げる公明…自民は飲める?

 一方、公明は改正法要綱案をほぼまとめ、違法行為があった場合に議員本人も責任を負う「連座制」導入や、政治資金パーティー券の購入者の公開基準引き下げなども掲げている。  両党間で距離があるのは、政党から議員に支給される「政策活動費」の取り扱い。公明は使途公開を義務付けるとしているが、自民は首相らが「政治活動の自由」を理由に慎重姿勢を崩していない。  自公は両党案をまとめた上で、野党との協議に入る考え。立憲民主党の岡田克也幹事長は16日の記者会見で「自民の案がなくて、与党協議が成り立つとは思えない。第1党として責任を持って考え方をまとめてほしい」と求めた。(井上峻輔) 

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