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 自民党安倍派幹部の塩谷立元文部科学大臣と世耕弘成前参議院幹事長に、離党勧告の処分が下されました。

 塩谷元文部科学大臣は執行部を独裁的と抗議する一方、世耕前参議院幹事長は早々と離党届を提出しました。

■安倍派幹部ら39人の処分決まる

世耕弘成前参議院幹事長
「明鏡止水の心境でありまして」
「明鏡止水の心境であります」
「まさに明鏡止水の心境で」

 邪念のない、落ち着いた静かな心境を意味する「明鏡止水」という言葉を3回使った世耕弘成前参院幹事長。

自民党 西村康稔前経済産業大臣
「裸一貫でもう一度ゼロから」
「裸一貫ゼロから」
「裸一貫でもう一度ゼロから」

 西村康稔前経済産業大臣は「裸一貫」と3回繰り返して、再出発を強調しました。

 4日、自民党は安倍派の幹部39人を処分しました。2番目に重い「離党勧告」を受けたのは、安倍派の座長を務めた塩谷立元文部科学大臣と、参議院側のトップだった世耕前参議院幹事長です。

 重い処分に塩谷氏は、次のように話します。

離党勧告 自民党 塩谷元文部科学大臣
「非常に厳重な処分で誠に残念だと思っている。幹部で大体決めてきたような見え方で、党紀委員会がどの程度役割を果たしているか。そういう点では疑問に思った」  弁明書で「独裁的・専制的な党運営に断固として抗議する」「岸田総裁の道義的・政治的責任も問われるべき」と、党執行部を批判。 塩谷元文部科学大臣
「今回の問題にそれぞれいくつかの派閥がかかわっていたので、公平な処分をして頂くのが、なんでそこで線を引いたのか、私は理解出来なかった。公平な処分という意味で、そういう思いを伝えたわけであります」  塩谷氏の今後は、どうなるのでしょうか。 テレビ朝日政治部 千々岩森生官邸キャップ
「塩谷さんは前回の選挙でも、小選挙区で勝てなくて比例復活ということで、もともと選挙には強くない人。この大逆風下の中で、しかも自民党の支援を受けずに選挙を戦うことになる。非常に次の選挙は厳しくなる」

 塩谷氏は、不服申し立てを検討する考えです。

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■世耕氏離党表明 総理への道は?

■世耕氏離党表明 総理への道は?

 一方、同じく離党勧告を受けた世耕氏は、4日夜、離党届を提出して受理されました。 離党勧告 世耕前参議院幹事長
「断腸の思いではありますけれども。決定に従って離党することを決断させていただきました」
「(Q.党への不満・不服はない?)まったくありません。明鏡止水の心境であります」

 議員辞職はせず、無所属で活動を続けていきます。

千々岩官邸キャップ
「世耕さんというのは、もともと総理大臣になりたい、総理総裁を目指すのだという強い意欲をもっている人。総理総裁の目というのは非常に今後厳しくなるのが、実情」

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■近畿大では…理事長辞任求める署名

■近畿大では…理事長辞任求める署名

 世耕氏が理事長を務める近畿大学では、教員有志が理事長辞任を求める署名活動を行う事態に。署名は2万7000筆に上っています。 近畿大学文芸学部 藤巻和宏教授
「今回の処分はあくまで党の処分ですから、近畿大学関係者が納得するのかは、また別の問題だとは思っています。そもそも資金管理がずさんな人物が、学校法人理事長としていろいろな決裁事項の管理行為をしている、それ自体不安だと思います」  近大マグロなどで有名な近畿大学を創設したのは、世耕氏の祖父・弘一氏です。

 世耕氏も毎年、入学式に出席して祝辞を述べてきました。

学校法人近畿大学 世耕弘成理事長
「この変化の早い時代に、変化についていくという気構えを持ってもらう、大学自身が変化に対応している姿から、皆さんが何かを学び取ってもらう。近畿大学はそういう大学でありたいと思います」  今年の入学式は6日行われます。重い処分を受けた直後の出席となりますが…。 世耕前参議院幹事長
「(Q.入学式あり、理事長の祝辞が入っているが?)今のところ予定通りと考えています」

 近畿大学の一部教員は、大学への影響を考え、今後も世耕氏の理事長辞任を求めていくとしています。

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■安倍派幹部“処分”に濃淡

■安倍派幹部“処分”に濃淡

 おととしキックバック再開を協議した下村博文元政務調査会長と西村康稔前経済産業大臣への処分は、1年間の「党員資格停止」でした。 西村前経済産業大臣
「大変厳しい処分でありますけど、この処分を真摯に受け止めて初心に戻り、いわば裸一貫で、もう一度ゼロから再出発したいと。そういう覚悟であります」  協議の場にいなかった高木毅前国会対策委員長は、半年間の「党員資格停止」となりました。  一方、安倍派幹部だった萩生田光一前政務調査会長と松野博一前官房長官は軽い方から3番目の「党の役職停止」にとどまりました。  岸田総理は、自身の責任について具体的な処分については言及しませんでした。 岸田文雄総理大臣
「私自身については、政治改革に向けた取り組みの進捗(しんちょく)ですとか。ごらん頂いたうえで最終的には国民の皆さん、そして党員の皆さんにご判断いただく立場にある」

(「グッド!モーニング」2024年4月5日放送分より)

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