愛知県の大村秀章 知事は4月8日に行われた定例会見で、リニア中央新幹線をめぐる問題に関連し、静岡県の川勝平太 知事について「腹立っている」と述べました。
4月2日に突如として辞意を表明し、翌3日の会見で辞職を決断した一番の要因としてリニア中央新幹線をめぐる問題を挙げた川勝知事。
JR東海は3月29日、リニア中央新幹線に関して2027年の開業を断念すると発表していて、これに対し川勝知事は「大きな区切りを迎えた。この2~3カ月でリニアの問題が大きく動き、仕事が一段落したということで辞表を提出することになった」と説明しています。
こうした中、愛知県の大村知事は4月8日、定例会見で川勝知事の発言の受け止めについて「極めて残念な発言」と切り出し、さらに「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会は一致結束して2027年の東京・名古屋開業、2037年までの大阪までの全線開業を願い活動してきた。その中で、この発言は釈然としないし、違和感を禁じ得ない、大変残念な発言」と苦言を呈しました。
期成同盟会をめぐっては、静岡県が2年前に参加を希望した際、現行ルートでの整備を前提にスピード感を持って課題解決に取り組むことや2027年の開業を目指すことを約束したことで加盟が認められた経緯があることから、大村知事は「2027年の開業を前提として取り組んできた市民、自治体、経済界の思いや期待と全く異なる」との認識を示し、「2027年の開業を断念させたことが一区切り、一仕事済んだと受け取れる発言は文書(約束)の趣旨と異なり極めて遺憾。開業を断念させて一区切りというのは整合性が取れない。我々をたばかったのか。だいぶ抑えて言っているが、もっと腹立っている」とも述べ、怒りを露わにしています。
このため、例年5月下旬から6月上旬あたりに開かれる期成同盟会の総会やそこに至る準備の過程において川勝知事に真意を質す方針で、また、川勝知事の辞職がリニア中央新幹線の開業時期に影響を及ぼす可能性があるか問われると、大村知事は「知事選に新たな人が出てくる中で、どのような公約をするかにかかっているが、静岡県の知事を選ぶとなると県民の判断になり、そこは私がこの段階で言うのはいけないと思うので注視したい」と口にしつつ、「JR東海・静岡県・国で協議が少しずつ進んでいる。時間がかかっていたので、(課題に対する)協議がスムーズに進むことは期待したい」と話しました。
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