経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」制度を創設する「重要経済安保情報保護・活用法案」が17日、参院本会議で審議入りし、論戦が始まった。
立憲民主党の杉尾秀哉氏は、同法案が米ワシントンでの日米首脳会談に先立つ9日に衆院を通過したことを踏まえ「バイデン米大統領への手土産にするつもりだったのではないか」とただした。岸田文雄首相は「わが国自身の経済安保を確保する上で重要な法案だ。米国への手土産にするために、衆院での審議を急いだとの指摘は全く当たらない」と否定した。
杉尾氏は、自民党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件を巡り、安倍派(清和政策研究会)に強い影響力を持つ森喜朗元首相の関与について同派の下村博文元会長代理が発言したとされる音声データや、首相が行った森氏に対する聴取の内容を尋ねた。
首相は「下村氏のものとされる音声データの内容を含め、推測の域をこえて、森氏の関与を具体的に指摘するような発言は把握していない」と述べた。森氏の聴取については「内容などを明らかにすることはしない前提で行ったものであり、詳細を答えることは差し控えるが、結論として、森氏の具体的関与は確認できなかった」と語った。
衆院解散や秋の党総裁選の前倒しについて問われた首相は「国民の信頼回復、内外に山積する先送りできない政治課題で結果を出すべく全力で日々の仕事に取り組んでいるところであり、今はそのことしか考えていない」と述べた。
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