石巻市の公共工事をめぐる官製談合事件は4月17日で逮捕から1週間です。
逮捕された市の職員2人と建設業者の男が「3、4年前から同じようなことをやっていた」と話していることが捜査関係者への取材で分かりました。

この事件は去年2月、石巻市発注の下水道工事で、最低制限価格を算定する情報が書かれた設計書を入札前に「遠藤興業」に渡し工事を不正に落札させたとして、石巻市下水道建設課の技術課長補佐・星洋一容疑者と、技術主幹・寺内友和容疑者が逮捕されたものです。
「遠藤興業」の遠藤光弥容疑者も公契約関係競売等妨害容疑で逮捕されました。

警察は石巻市内の別の業者にも家宅捜索を行っていて、捜査関係者への取材で市の職員2人が遠藤興業とは別の業者にも入札前に情報を漏えいしていた可能性があることが分かりました。
また捜査関係者への取材で星容疑者と寺内容疑者は「発注した工事を円滑に進めたかった」などと話し、遠藤容疑者も「確実な仕事をもらいたかった」という内容の話をしていることがわかりました。
3人とも容疑を認めているということです。

3人は「3、4年前から同じようなことをやっていた」と話しているということで警察は3人の間で情報漏えいが常態化していた可能性があるとみて、事件のいきさつを調べています。

復興事業を通じて2013年に知り合ったという3人。

建設業関係者によりますと、復興事業の需要が増える中、遠藤興業は業績を伸ばし、工事を早く進めたい石巻市側の意向に応えていた側面があるといいます。

建設業関係者
「市の立場で言ったら、自分たちが工事進まなくて困ってるところをやってくれる会社がやっぱり貴重ですよね。震災の時にはもうなんぼでもやってくれ、というのが役所の話。特に地元の会社だったらもう大歓迎。(市と地元企業は)信頼関係があるので、そもそも。よそ者(石巻市意外の企業)はやっぱり面倒くさいじゃない。役所のやり方の意に沿わないことが多々あるので。」

こうした事情を背景に、市と遠藤興業の間で「持ちつ持たれつ」が常態化してきたと指摘。それが、復興事業に欠かせなかったわけではないと強調します。

前出の関係者「遠藤興業がいなくても、別の会社がその工事をできないってことは一切ないです。」

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