能登半島地震の被災地で防災の重要性を訴える清水国明氏=7月2日、石川県輪島市で(事務所提供)
清水氏は選挙戦で、都内の商店街を中心に回ってきた。しかし、現職の小池百合子氏(71)、前参院議員の蓮舫氏(56)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)の4候補の報道が中心になっていることに危機感を抱いた。 首都直下地震対策、防災、災害対策を有権者に訴えたいにもかかわらず、「言葉を尽くしても人ごとのように聞き流す人もいた。このままではメディアで取り上げられない。これではだめだ」と考え、選挙運動の方針を大きく変えた。 6月30日深夜、清水氏は能登半島地震の被災地に行くことを決めた。「能登半島の現状は東京の未来図。同じ災害が起きたとき、東京はもっと悲惨な状況になり、救える命も救えなくなる」という思いからだった。◆陣営スタッフは驚き「演説の計画が白紙に」
翌7月1日には自家用車で現地入り。5日まで珠洲(すず)市や輪島市の被災地を巡った。突然の連絡に驚いた陣営スタッフは「この先の街頭演説の計画が白紙になった」と振り返る。被災地を見て回る清水国明氏=7月2日、石川・能登半島で(事務所提供)
5日夜にはユーチューブの配信で、こう訴えた。「東京に首都直下地震が確率的に迫っている。説得力のある被災現場の声を聞いてもらい、防災を自覚してもらいたい」 「やればできる、やったらできた」を座右の銘に挙げた清水氏。テレビ番組のレギュラーを降板し、退路を断って臨んだ都知事選。6日午後7時から、最後の街頭演説のために秋葉原駅前に立つ。(長竹祐子) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。