財務省がまとめた2023年度の一般会計決算で、国の税収は従来見込み額より2.46兆円増え、72兆761億円となった。22年度の71兆1374億円を上回り、4年連続で過去最高を更新した。
円安の進行で輸出企業を中心に好業績の企業が相次ぎ、法人税は前年度比9208億円増の15兆8606億円と、1991年度(16兆5951億円)以来32年ぶりの高水準。堅調な国内消費と物価上昇で消費税は23兆923億円と過去最高を更新。
一方、所得税は4687億円減の22兆530億円となった。賃上げに伴う給与所得税収は増加したが、完全子会社などからの受取配当金を源泉徴収の対象外とする制度改正で配当所得が減った。
歳出は、新型コロナウイルス対策の自治体への助成金など、予算計上したものの使わなかった「不用額」が6兆8910億円あった。
23年度の新規国債発行額は補正予算段階で44兆4980億円を計上していたが、税収増分と不用額を合わせて国債発行額を9兆5000億円圧縮、決算ベースでの発行実績は34兆円9979億円となった。
日銀は3月にマイナス金利政策を解除、6月の金融政策決定会合では、「月間6兆円程度」で続けている国債の買い入れを減額していく方針を決めた。金利のある世界に戻りつつあることで、これまで積み上がってきた国債の利払い費の膨張は避けられない。財政の健全化は待ったなしの状況だ。
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