東京都知事選で現職の小池百合子氏の当選が確実となり、支援者に頭を下げる蓮舫氏=東京都千代田区で2024年7月7日午後8時18分、宮武祐希撮影

 過去最多の56人が名乗りを上げた七夕の首都決戦を制したのは、現職の小池百合子氏(71)だった。7日投開票の東京都知事選で、堅調に3回目の当選を決めた小池氏。街頭では批判的な聴衆のやじにも見舞われたが、子育て支援をはじめとする2期8年の実績を強調し、選挙戦を終始リードした。

 「小池都政のリセット」を掲げて出馬した元参院議員の蓮舫氏(56)は立憲民主党、共産党、社民党の支援を受けて「与野党対決」の構図を強調したものの、無党派層からの支持が低迷し、現都政への批判票もまとめきれなかった。

 「私の思いが届かなかったことは、否定できない」。蓮舫氏は午後8時過ぎに「小池氏、当選確実」のニュース速報が早々に流れると、東京都千代田区の会場に駆けつけて支援者にそう語った。記者から「戦略ミスはなかったか」と問われると「なかったと思います。やれるだけのことはやった」と強い口調で反論した。

 5月の出馬会見で、都議会自民党と協調路線を取る現職の小池百合子氏を「政治とカネの自民党政治の延命に手を貸している」と批判。「政治資金パーティーはしない」と公約し、自民党の裏金事件に対する批判票の受け皿化も狙った。

 選挙戦では、若者支援と行政改革を軸に据えた。「現役世代の手取りを増やす」と訴え、明治神宮外苑の再開発について是非を問う都民投票(住民投票)の実施、50億円近くを投じて都庁舎外壁などに映像を投影するプロジェクションマッピングの見直しを掲げた。

 だが、党派色を消した小池氏の戦術もあり、無党派層からの支持は広がらなかった。また、蓮舫氏は石丸伸二氏の善戦について「それぞれの候補を支援した方々の思いを受け止めていきたい」と述べるにとどめた。【白川徹、田中綾乃】

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