大西市長は、6月までに本庁舎とは分けて建てる『分棟』の方針を示していた中央区役所について16日、花畑町別館跡地に移転建て替えとする考えを表明しました。
熊本市の大西市長は6月の議会・特別委員会で、まず本庁舎について「NTT桜町の敷地に移転建て替えとし、現在本庁舎の中にある中央区役所については本庁舎裏手の市役所駐車場の敷地、または花畑町別館跡地のいずれかに分棟する方針」と述べていました。
そして、16日
【大西一史熊本市長】
「中央区役所の建設地については建て替え計画や立地特性の評価が高く、市負担額において有利な花畑町別館跡地として進めたい」
花畑町別館跡地は現在は駐車場として民間に貸し出されていますが、市所有の土地で2017年度に建物が解体されるまでは一部の部署が置かれ文字通り市役所の別館として使われていました。
ここを中央区役所の建設地とした理由について「幹線道路に面した立地で市が所有しているため新たな取得費用がかからない」「市駐車場敷地とした場合は建設工事期間中の来庁者駐車場の確保が課題となる」「災害時、浸水の想定が花畑町別館跡地は最大3メートル余り、市駐車場敷地は最大5メートル余りで災害リスク上も優位性が高い」などとしました。
また本庁舎と合わせた概算事業費で比較しても花畑町別館跡地に中央区役所を建てた場合の方が少なくなるとしました。
(本庁舎と合わせた概算事業費・区役所花畑町別館跡地の場合約616億円、市負担額約255億円・区役所市駐車場敷地の場合約629億円、市負担額263億円)
【大石浩文委員】
「(花畑町別館跡地なら)花畑町エリアが中心市街地の一体性を高めていく上で
重要な役割を果たすのではないかと思う」
委員からは花畑町別館跡地について特に異論は出なかったものの、そもそもの議論の進め方をめぐる意見が相次ぎました。
【高本一臣委員】
「計画全体の妥当性、費用の妥当性、住民の合意形成が揃わなければ事業の可否について正しい判断ができないしそれが大原則」
【浜田大介委員】
「(市民の)合意のためには何かやらないと、今までのやり方ではなかなか建て替えに関し市の考えが伝わっていないのではないか」
【大西市長】
「(今後)具体的なものが見えてくるときにアンケートをとったり(市民と)対話をしたり疑問に答えていきたい」
市は9月議会に基本計画、基本設計、実施設計の委託関連予算案を一括提案する予定で、これが議決されれば市の財政に有利とされる地方債『合併推進債』を活用した庁舎建て替えが正式に決定することになります。
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