立憲民主党の辻元清美代表代行=18日午後、東京都江東区(奥原慎平撮影)

衆院東京15区補欠選挙(28日投開票)を巡り、優勢が伝えられる立憲民主党が引き締めを強めている。辻元清美代表代行は18日、東京都江東区で街頭演説し、「非常に厳しい選挙だ」と危機感をあらわにし、立民新人の酒井菜摘氏(37)への支援を呼びかけた。

危機感をアピール

元職や新人9人が出馬した同区補選で、立民は新人の酒井氏を擁立。党幹部らが連日、選挙区に入り、応援に精を出している。選挙戦では、告示前に共産党が候補を取り下げて酒井氏を支援する意向を表明。複数の政党が行った情勢調査では、いずれも酒井氏が他の候補を抑え、一歩抜け出しているとのデータも永田町に出回っている。

辻元氏は「苦戦をしている。危ないと思う。酒井が優勢だとか言って回る人がいるが、いつもこの手に引っかかる」と危機感を強調してみせた。自民党の派閥政治資金パーティー不記載事件に関しては「自民の長老やキングメーカーみたいな人が采配を振るっている姿が見え隠れする」と指摘。「政治は誰がやっても一緒ではなく、誰がやるかで大きく変わる。2代にわたって政治とカネで議員辞職した前代未聞の江東区で次は誰がやるのかが試されている」と訴え、酒井氏の支援を求めた。

討論会欠席の理由は

一方、酒井氏を巡っては東京青年会議所(JC)などが16日に共催した候補者討論会で9人のうち唯一出席を見送ったことで、他陣営やインターネット上で批判の声が挙がっている。酒井氏は欠席した理由について、記者団に「全体の日程の関係で…」と言葉を濁す。陣営関係者も「すでに日程が入っていた」と述べた上で「JCから届いた(討論会用の)質問内容は項目が多岐にわたっている上、内容も細かい。しかも直前に届いた。仕切りが悪い」と不満をこぼす。

辻元氏は約20分間、同区の商店街で練り歩いて、商店主らに酒井氏をアピールし、通行人と記念撮影に応じると選挙カーに乗り込み「ほんとうに接戦、大接戦、大混戦になっております」とマイクで訴えて、陣営の危機感をあおっていた。

衆院東京15区補選は他に諸派新人の弁護士、福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の看護師、吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽諸派新人の根本良輔氏(29)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。(奥原慎平)

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