シンガポールのローレンス・ウォン首相(右)と会談する自民党の茂木敏充幹事長(31日)=シンガポール政府提供

【シンガポール=中村亮】自民党の茂木敏充幹事長は31日、訪問先のシンガポールでローレンス・ウォン首相と会談した。米中対立がインド太平洋地域に及ぼす影響を巡り意見交換し、デジタルや気候変動分野で協力を確認した。

茂木氏は「中国は経済的に無視できない存在だが地域の安全保障に与える影響も大きい」との認識を示した。「さまざまな角度から中国との関係は慎重に考えないといけない」と伝えた。同氏が会談後、記者団に明らかにした。

シンガポールは米中対立に拍車がかかる事態を懸念する。経済面で中国への依存度が高い一方で、米軍の艦船寄港や偵察機の配備を認めており米国と安全保障分野で関係が深い。

茂木氏は31日、シンガポールの港湾も訪れた。持ち運びできる小型装置で水素を取り出してフォークリフトに供給する実証実験を視察した。千代田化工建設がシンガポールの南洋理工大学やPSAシンガポールとともに実験している。

水素関連施設を視察する自民党の茂木敏充幹事長(31日、シンガポール)

茂木氏は「脱炭素に向けて日本の技術やノウハウが活用できる。東南アジアの国々とさらに連携を深めたい」と強調した。水素はグリーントランスフォーメーション(GX)の実現に向けてカギを握る燃料とみられている。

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