ことし3月、元西播磨県民局長(60)が配布した斎藤知事のパワハラ疑惑などの告発文。

この調査をめぐり、関西テレビの取材で7日、新たな事実が発覚しました。

関係者によると、ことし3月、当時の総務部長と人事課の職員が、元県民局長と親交が深かった幹部職員の執務室を突然、訪問。

告発文を見せたうえで、見覚えがないか尋ね、職員が否定すると…

【人事課】「携帯を見せてほしい」

2人は、幹部職員の私物のスマートフォンを見せるよう要求、元県民局長とのメッセージのやり取りをくまなく調べたということです。

結果的に、告発文に関わる情報は一切なく、「問題ないです」とスマートフォンを返却したということです。

■人事課の調査について、斎藤知事に尋ねると…

告発文の事実関係について、調べていたはずの人事課が行ったこうした調査について、斎藤知事に尋ねると…

【兵庫県 斎藤元彦知事】「しっかりと調査するようにとは指示しましたが、具体的な調査内容までは指示していない」

(Q私物のスマートフォンのSNSの履歴を見るという手法は適切か?)
【兵庫県 斎藤元彦知事】「一般的に任意での開示依頼に対して相手方が協力的に調査に応じた場合は、調査手法として法的に問題はないと考えております」

自らの関与を否定した上で、一般論としては「問題はない」との認識を示しました。

元県民局長は、告発文を調査する百条委員会に出席する予定でしたが、ちょうど1カ月前の先月7日に死亡しました。自殺とみられます。

■元県民局長が告発文を送った背景は

【元局長の30年来の知人】「明るくて人付き合いがいい」「基本的には偉そうにしない人なので。そういう意味では下から慕われていたんじゃないかなって思いますし」

こう話すのは元県民局長と30年以上親交があった元同僚。

関西テレビの単独インタビューに答えました。

姫路市で生まれ育った元県民局長。2021年から西播磨県民局長になり、自身の仕事についてこのように話していたといいます。

【元局長の30年来の知人】「県民局長って、住んでいる人と直接会って話をしたりっていう仕事がずいぶんあったりするので、結構楽しくて面白いっていうような感じのことは言ってましたね」

そんな元県民局長が告発文を送った背景については…

【元局長の30年来の知人】「兵庫県という組織に長い間いて、愛着もあるだろうし、将来どうなっていくかとか、後輩たちがどうなっていくかというのが非常に不安だったというか、このままではいけないと思ったんだと思います」

後輩への思いやりは、ことし3月に公開されたメッセージにも書かれていました。

【元県民局長のメッセージ】「仕事は県民の皆さんのためにするものです。自分のために、自分の栄達のために、仕事をしてはいけない。理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないで下さいね。『いつかきっと』と心に念じながら」

■百条委員会で自身のプライベートなことが出ていくことを不安に思っていたという

突然、この世を去った元県民局長。

死亡する4日前までSNSでやりとりをしていた元同僚は、当時の様子についてこう振り返ります。

【元局長の30年来の知人】「7月7日ですか、亡くなったのは。その前の火曜日(7月2日)に電話で話をして、そのころは百条委員会のことで、委員の中で、パソコンの中に入っているプライベートなことが話題になっている時期で、自分のプライベートなことが外に出ていくっていうのは、不安というか不本意だったと思います」

(Q元局長が亡くなって1カ月たち今思うことは?)
【元局長の30年来の知人】「一番思うのは、やっぱり何とか…死なないで済むようなことって自分たちでできなかったのかなというふうには今でも思いますけど。あとは、彼が思っていたことをできるだけ遂げさせてあげたい。百条委員会を最後までやって、真相が究明されて、県の組織自体が正常化されるようにというのが彼の思いですから、その思いが遂げられるようにならないかなって思っています」

今月30日には、百条委員会での斎藤知事の証人尋問が始まるなど、調査が本格化するなか、疑惑の真相解明はできるのでしょうか。

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