「多選と世襲に甘すぎな選挙制度をフェアにするため、議員と選挙区の絆を定期的にリセットする選挙改革を望みます」

 4月7日配信の記事「『多選自粛条例』ブーム、どこへ? 背いても当選、7割が廃止・失効」に、元衆院議員で弁護士の菅野志桜里さんは、こうコメントした。

 かつて、地方自治体の首長をめぐる「多選自粛条例」が全国各地で制定された。しかし今や、その7割が廃止または失効した。記事では、これまでの各地での経緯のほか、全国で2番目の条例制定を主導した前川崎市長の阿部孝夫さんの思いにも触れながら、そのブームがなぜ去り、何を残したのかを探った。

 菅野さんはコメントで、首長と同様に政治の新陳代謝を進める観点から、世襲議員は親との同一選挙区での立候補を禁じることや、現職議員の同一選挙区からの立候補は4期までとする制度改革を提案。これらを、多選と世襲に伴う政治の劣化を解決し、かつ立候補の自由を侵害しない「実現可能な制度改革」とし、「本気で取り組む時ではないでしょうか」と訴えた。

 政界の高齢化や同質化は目に余る一方、政治の世界が新人ばかりでは不安で、多選や世襲でも実力があれば議員を続けてほしいと感じる国民は「少なくないと思う」。だからこそ、属性に関わらず適性ある議員が選ばれる「フェアな競争環境を作っていくことこそが重要」と強調。多選や世襲に甘いシステムの根っこには、議員と選挙区の関係が固定化した「ご縁の選挙」があると指摘した上で、自らが唱える制度改革が実現すれば、引き続き有利ではあるものの世襲や多選の議員が減る一方、資質や実績がある議員の経験値も活用できるとの見方を示した。

 そして、多選が減って新たに議員になる人が増えれば、結果として議員の平均年齢が下がり、女性比率が上がることにもつながるとの期待感を示し、次のようにコメントを締めくくった。

 「『選挙区に骨を埋める』永続性がデフォルトになっている、議員と選挙区の関係性を見直すことで、新規参入を促す選挙改革が実現されることを心から望んでいます」

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