自民党の派閥の裏金事件を受け、岸田首相は9月の自民党総裁選に立候補しない意向を表明。新しい総裁が決まった後に退陣することを決断した。福島県でも、衝撃と驚きが広がっている。

<国民からも様々な声>
お盆休み中の“突然”の退陣表明に、福島県民からは「検討するという言葉は、いい意味で捉えれば慎重だけど、動かないと結局、腰が重いとしか思えない感じだった。もうちょっと色々とあったのでは」「こんな厳しい世の中で、岸田さんは穏やかに対応なさって、随分頑張った」との声が聞かれた。

<復興半ばの葛尾村からは>
一方、2022年に岸田首相が訪問した福島県葛尾村の復興交流館「あぜりあ」。運営する、葛尾むらづくり公社の専務理事松本松男さんは、当時イベントの運営責任者だった。
村内の帰還困難区域に設定された「復興拠点」の避難指示の解除などを進めてきた岸田首相の退陣表明について「当時の印象としては、非常に頼もしい存在として受け止めていた。何もない状況であれば、続けて欲しいっていう気持ち」と話した。

<福島県選出の国会議員は>
その衝撃と驚きは、福島県選出の国会議員にも広がっていた。
■自民党・根本匠衆院議員
「会見後に電話で連絡があって、本人の思いは聞いたので、潔いね。政治家らしい潔い出処進退だと思いますよ」と話すのは、福島2区選出の根本匠衆院議員。
当選同期の“盟友”として、2021年の総裁選をはじめ、支え続けてきた岸田首相について「外交・経済・安全保障・少子化対策で大きな成果を上げました。私は後世の歴史家は必ず評価すると思っています」と語った。

■立憲民主党・玄葉光一郎衆院議員
一方、区割り変更により、その根本衆院議員と「新2区」の議席を争うことになる玄葉光一郎衆院議員は「総裁選を乗り切る自信がなかったんじゃないかなという風に感じました。なにより政治とカネの問題で、例えば裏金問題の本丸と言われた政策活動費なども、ゼロ回答でしたので政治改革は残念ながら0点だったですよね」と話す。

また、自民党の県内関係の国会議員からは…
■自民党(東北ブロック選出)亀岡偉民衆院議員
「2週間に一回は打ち合わせをしてましたので、その中でいずれは決断したいということだったので、私は意欲はあるのかと思って聞いてましたけれども。全く違う判断だったので、びっくりした」

■自民党(東北ブロック選出)菅家一郎衆院議員
「岸田首相の総合的な判断だと英断だったと思いますが、9月に総裁選控えていますから、そういったことを踏まえた英断だったのではないかと思います」

自民党の総裁選は9月に行われる予定で、これから「ポスト岸田」に向けた動きが本格化する。

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